紅孔雀

クォ・ヴァディスの紅孔雀のレビュー・感想・評価

クォ・ヴァディス(1951年製作の映画)
4.5
ハリウッドが誇る古典的歴史大作。学生時代、近所の名画座でリバイバル上映をやっていて、その大きなポスターを前に観たいなぁ、と思いつつ機会を逃しました。それ以来、なんと半世紀ぶりの(TVでの😢)鑑賞です。
シェンキェヴィチの原作も岩波文庫上中下3巻を中学生の夏休みに読破し、そうした思い入れもありました。
お陰で、名のみ有名な映画人たちにもご対面。マービン・ルロイ監督(「マルクス兄弟」等も撮っている職人監督)、二枚目ロバート・テイラー(『哀愁』でのヴィヴィアン・リーの相手役)、イギリスの名花デボラ・カー(『黒水仙』の尼僧役でブレイク)、さらにはネロ役のピーター・ユスティノフ(E.ポワロ役でお馴染み)等々、有名映画人揃い踏みです。
同じキリストが題材で8年後に制作されたのが、かの『ベン・ハー』。この名作に比べるといささか俗っぽいのですが、それでもローマでの凱旋シーン、闘技場でのキリスト教徒虐殺シーンなど、その金のかけ方に唸らされます。そして、デボラ・カーの気品ある美貌にもウットリ。当時のハリウッドのクール・ビューティーはケチのつけようがなく、安心(?)して観ていられるのがいいですな。
全盛期ハリウッドの雰囲気が味わえる、未だ古びない名品でした。
紅孔雀

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