ジャイロ

ミュージックボックスのジャイロのレビュー・感想・評価

ミュージックボックス(1989年製作の映画)
3.7
過去は……

バラバラにしてやっても石の下から…………

ミミズのようにはい出てくる……

そう

恐怖とは

まさしく過去からやってくる



いったいこの主人公の父親は、なぜ訴えられているのか、いまいちはっきりと分からないまま物語が進んでいく

法廷劇がメインなんだろうけれど、これほど着地点が見えない裁判も珍しい。兄さんがどこかでやらかすんじゃないかって心配になるし、ジェシカ・ラング演じるこの弁護士が、どんどん憐れに思えてくる。

それにしても

嘘の臭いがプンプンする

ちょっと話があるの

って言われても聞きたくない気持ちも分かる

重い

ミュージック・ボックスね

そのメロディがキーワード

でもない

それが意外

目には見えないけれど、どす黒い闇が確実に社会に紛れているのが分かる。それって一番恐ろしいことなんじゃないだろうか。

あっという間。気づけば食い入るように観ていた。ラストシーンがこれまた重い。重い…