フロントスカイ

がんばっていきまっしょいのフロントスカイのレビュー・感想・評価

がんばっていきまっしょい(1998年製作の映画)
4.8
「がんばっていきまっしょい」
昔、この映画を鑑賞して以来、緊張した時や何か特別なことを始める際のお気に入りの掛け声(心の中で...)となりました。

物語の舞台は1970年代の四国の松山の高校。ボートに青春をかけた女子高生たちの姿を瑞々しく描いた田中麗奈初主演の青春映画の秀作でした。

高校に入学した一人の女子高生が女子ボート部を立ち上げ活動する。
なかなか結果は出ないけど、みんな必死に頑張る彼女たちの姿を淡々ととらえ、普通の地方の高校生の等身大な姿を通してリアルな高校生活を描いていく。

多くを語らない磯村一路監督の演出は、自然で派手さを排した素朴な描き方で、弱小女子ボート部の短い高校生活を切り取って見せる。
瀬戸内海の穏やかな景色、のんびりと柔らかい伊予弁の雰囲気と全編にわたるゆったりとしたリズム。
田中麗奈を中心に自然体のあどけない女子高生たちの純真無垢な姿が眩しい✨

高校最後のレースのシーン。みんなと力の限りオールをこぎながら叫ぶ「キャッチ、ロウ、キャッチ、ロウ」、その姿にかぶって美しく叙情的な主題歌が流れる。
ゴール❗️仲間とやり切った充足感と終わってしまう寂しさが切ない。

「キャッチ、ロウ」
一瞬の輝き。二度と戻れないかけがえのない青春の瞬間を描き、観る者を郷愁に誘う。

「悦子、ファイト❗️」
「がんばっていきまっしょい‼️」