2時間51分の力作クライムムービー。ロサンゼルスを舞台に凄腕強盗団と刑事たちの死闘をえがく。二大スターの共演(ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ)でも話題になった。
一部の映画ファンに刺さりまくる特濃ブラックコーヒーみたいな作品だった。公開当時(95年)から評価されてたけどネットが発達しファンの熱い広報活動?でまた知名度があがってる感じ。
甘党もやしっ子の自分にはあまり刺さらんかった。各キャラクターの背景をおう序盤も未公開シーンつけ足して間延びしがちな「ディレクターズカット」みがあって正直ツラい…でも不思議とそのまま観れちゃった。
体感として「見てると段々おもしろく」って感じでもなかったんですけどね。ハリウッドに生きながらリアリティを重視しハッタリに頼らない、派手にしすぎない演出手腕は大したものだと素直に感心する。
同監督の23年「フェラーリ」は「伝記のかたちをとった『自己表現』」だったけど20世紀末から犯罪映画を軸に同じことをしていたのも間違いなくすごい。
ただ繰り返すけど個人的にはハマらんかった。ずーっと大都市の闇に潜ってるハードコア感がエグい。そこが良いんじゃない!って意見はわかる。
3時間近くあるのに主要人物へのフォーカスがしぼれすぎてて脇役の印象が薄いような、でも「女性をえがけない」と言われるマン監督だけど女優さんは皆かわいかった。23年に亡くなったトム・サイズモアも強面のくせに「今回は自分で決めろ」と言われておろおろしだすのがよろしい。たしか役作りに取材した元強盗に「静かにしてればやり過ごせた時期になぜ…」と質問したら「目の前にヤマがあるなら俺は絶対に踏む」と返されたそうで劇中でもそのままセリフに使っている。