このレビューはネタバレを含みます
テレ東の午後ロードにて初観賞。あまり見ないジャンルだが、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロということで期待。ヴァル・キルマー(「トップガン」のアイスマン役)も出てきてさらに期待。
銃撃戦は迫力満点で映画史上でも屈指。さすが全て本物の音を当てたというだけある。
その後に来る、ヴァル・キルマーと恋人役のアシュレイ・ジャッドの別れのシーンは、この映画のクライマックス。たった一振りのサインに全ての想いを託した静かな演出・演技が素晴らしい。このシーンだけでも見る価値がある。
ロン毛を後ろで縛っているヴァル・キルマーがとにかくクール。鉄砲玉のような危険な香りのする若い犯罪者役で、最初は感情が希薄な印象なのだが、上記のサインを見た瞬間のフッと瞳に悲しみがよぎる演技、素晴らしかった。
惜しむらくは、上記シーンがクライマックスと述べた通り、それ以降の展開が大して印象に残らない点。デ・ニーロの敵討ち、デ・ニーロと恋人との別れ、最期のタイマン、どれも意外性があまりなく感動もあまり……そのせいで尻すぼみ感が拭えない。
特に二大俳優による最後のタイマンは、本来であれば本作最大の見せ場にならなければいけないはずだが、光を使った古典的というかなんというかな決着に。白黒映画じゃないんだからさ。
written by K.