水のまち

ヘカテの水のまちのレビュー・感想・評価

ヘカテ(1982年製作の映画)
4.7
サファイア、ルビー、エメラルド、いくつかの色石が散らばった宝石箱の中の、謎めいた色彩模様と、透き通った煌めきに似た美しさ。例えば、宝石を所有することは可能だが、はたしてその輝きを所有したといえるのだろうか?次第にモロッコの路地裏も不気味なリズムに共鳴しだし、迷宮と化した。何度も何度も回る景色、焦りと熱気で汗ばんだシャツが、沈没船のように男の身体に引っ付いている。分かるだろう、これが狂気で、これが破滅だ。ただ、人を愛する。とも言えなくもない、まったくもってファム・ファタール、月明かりに照らされたダンス。
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