がんびーの

トリコロール/青の愛のがんびーののレビュー・感想・評価

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)
4.5
「もう、生きがいもないわ。なにひとつ。思い出もいらない。友情も愛も私を縛る罠だわ。」

キェシロフスキ監督によるトリコロール三部作の一作目。(トリコロール=メリハリのある三色で構成された配色をさす。フランス国旗の通称である。青・自由、白・平等、赤・博愛)

青色を基調とした描写がどれも美しい。ライティングは神の技とも言えるほど。彼女の美しさが十二分に伝わってくる。プール、飾り物、どれも青という一色で構成されているが、単調でなく深みとそれに伴う悲しみを感じる。「自由」がこの作品のテーマであるわけだが、そのテーマを言葉や展開で示すのではなく、視覚、聴覚の感覚を使って掴みとって欲しいという監督の意図を感じた。

愛とは人間にとって一番大切だからこそ、人間を縛り付ける一番の柵になり得る。彼女が真の自由を手に入れることができたのかはわからない。でも、過去の愛(呪縛)から抜け出せたことは事実だろう。

音楽家の夫と最愛の娘を事故で失い、つらい過去と決別する為に全ての財産を処分、パリでの単身生活を始める女性の苦しみと救いを描く。

ぜひぜひぜひ
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