"based on a true story"から始まる映画はいくつもあるが、本作の"a true story"という三語にはそれらとは比べ物にならないほどの重さがある。とにかく報われない。カタルシスはあるものの、そこに至るまでがあまりにも辛すぎて救いようがない。そんないわゆる胸糞が悪い内容の本作であるが、そこにもイーストウッド監督の想いが満ち溢れている。『ミスティック・リバー』と『ミリオンダラー・ベイビー』それぞれで描いたもの・描きたかったものが高次元で融合している本作は、とにかく恐ろしい映画だ。
※ところで警察のことが好きになれる名作をこれから私は観ることがあるのだろうか。