サウナー

ジャンヌ・ダルクのサウナーのレビュー・感想・評価

ジャンヌ・ダルク(1999年製作の映画)
3.9
歴史の英雄を2時間程度の映画で描くのだからどのように描いても賛否は出てしまうと思う。
勿論本作も言いたいことは山ほどあるが1つのエンタメとして見やすく描いたリュックベッソンの解釈は一定楽しめた。

英雄の背景にはいつでも窮地があり、当時のフランスは瀕死だったこと、また神の言葉が絶対的な力を持っていた時代だった。
当時ジャンヌが特別だったわけではなくて、王に近づく預言者は沢山いたんだと思う。その言葉を聞いて結果次第で、『神の声』とも『悪魔の声』ともなる。悪魔となれば焼かれる。
ただジャンヌには本当に神の声を聴いた(錯覚した)のだと俺は解釈している。史実として10代の少女が軍隊の男の先頭に立ち旗を振り鼓舞して無理だという戦争を勝ち続けた。
作戦を練って攻めあぐむ男たちに、神が、『今行けって言ってる』から行くぞってある種イッちゃる少女の意思の瞳の強さをミラジョボビッチが演じてる。
現代で想像しても、数年前までTVに細木数子が『あんた地獄に落ちるわよ』とメディアと民衆を引き付けたのは当時と大差ないんだろうと思った。
冒頭、姉がイギリスに無残に殺されるシーンはおそらくフィクションだと思うが、これがジャンヌの動機の一部に描いちゃうのはマジでいらないと思った。もっと神が言ってるから!って大人を動かすジャンヌが見たかった。戦争の歴史において、戦術でもなんでもない、神が言ってるからでここまで結果をだしちゃったジャンヌに魅力が尽きないのはよくわかる。
神の言葉を証明する事もできないけど、否定する事もできないし、否定してたら=神を否定する事になる最強ロジックがこの時代にはあると思う
サウナー

サウナー