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劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.5
G3システムのさらに先にある完成されていなかった呪われたシステム、G4システムのプロジェクトがついに始動する。

G4システムのパワーの源は、何と人の第六感的な“超能力”。
“超能力”を持つ人材を投与し、システムに同化させ、機動力、予知能力、など様々なパワーを拡張させる。

まさに呪われたシステム、G4。
そのシステムの起動を止めるべく、G3、要潤が立ち上がる。

そして、同じく“超能力”を持つまなちゃんを拉致された加集利樹、仮面ライダーアギトも立ち向かう。

一方ギルスもどさくさ紛れて逃げ惑う“超能力”少年と出会い、G3、アギトと同じ終着点に導かれる。

この作品は、アギトに新たなフォームが生まれる。
今までの最上位のムキムキしたバーニングフォームから、その殻が割れ、出てくるシャイニングフォーム。

このゴツゴツしたフォームから何とも洗練された銀色の輝かしいフォームの誕生。

これが本筋のTVシリーズがクライマックスへと向かうことを意味する節目がここにある。

アギト、ギルス、G3、この3人のライダーがそれぞれのキャラクターと運命を交錯させたシリーズ、『仮面ライダーアギト』。

己の価値観や人生観、過去と未来に翻弄されながら、身近な人との触れ合い、チームワーク、孤独を通じて、新たな価値観、人生観、そして、人生を産む物語。

アギトは平成のクウガに続くライダーで、敵対するアンノウンという謎の言語を司る古代文明の敵なので、ここからのライダーに比べてとても無機質。

複数のライダーがいて、色んなフォームや武器も出てくるけど、ギルスが結構野生さながらの残虐に徹するシーンもあったりする。

ライダー本来の沸沸とした怒りや、不条理な生き方に対する不満を乗り越えるシリーズ。

意外と商売っ気がなくて、ライダーの知られざる戦いと友情と男の背中を描いているので、時折殺伐としたり、無機質だったり、残虐だったり、空虚だったり、哀愁漂ったりしてる。

キラキラしてて色とりどりのテンション高めのライダーではないアギトのこの作風はこれはこれで重みがあって好き。
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