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薔薇のスタビスキーのワンコのレビュー・感想・評価

薔薇のスタビスキー(1973年製作の映画)
3.6
【金融詐欺】

日本にも金融機関や人々を手玉にとった大規模詐欺事件はあるけれども、こんな風に映画になるのはなかなか難しいのかもしれない。

やられた企業から横槍があるからだ。

「金融腐蝕列島」という映画はあったが、当時のこのモデルになった銀行の知り合いにちょっと聞いたら、何も教えてくれなかった。かん口令があるよつだった。

それと映画になるためには、主人公に、どこか華麗さとかカッコよさが必要なのだと思うが、かなり昔に起きた、日本興業銀行を手玉にとった尾上縫事件は、宮沢りえちゃんあたりが主役だったりしてらどうかと思ったりもする。あの、信用金庫の事件の主人公は悪くなかったが、この事件のようにもっと大規模なのはダメなのだろうか。

アメリカでは、円に換算して4兆円もの詐欺事件となった、マドフの事件が10年以上前にあったが、マドフは終身刑が何個も積み重なって一生刑務所のはずだけれども、巧妙な仕掛けでファンドの運用成績をちょっとずつ誤魔化したというのは、胃がかなり痛くなるだろうと思ったし、これはせめてドキュメンタリー映画にして欲しいと思ったりする。

今でも、相場操縦や利益の付け替えの事件は結構起きる。
インサイダーもそうだ。
先般の、SMBC日興証券の相場操縦事件は、またかという印象だった。

この「薔薇のスタビスキー」のように債券を同じ券面の番号で二回発行するなんて、今では大胆過ぎて考える人はいないと思うが、本当にコメント出来ないほど無茶苦茶な時代があったのだと思う。
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