みんと

幸せはシャンソニア劇場からのみんとのレビュー・感想・評価

4.2
思いがけず良作だった。
何処かノスタルジックで味わい深くて『ニュー・シネマ・パラダイス』を彷彿とさせる感じ。

不況の煽りを受け閉館を余儀なくされたミュージック・ホール「シャンソニア劇場」。再建への道のりは厳しく、夢を売る場でありながら厳しい現実が立ちはだかり残酷な展開へと、、、

タイトルでイメージするほど“幸せ“って言葉がしっくり来る訳じゃなく辛くて悲しいエピソードばかりなんだけど、何故かほっこり心が満たされる不思議な作品。
明るくて個性派揃いの劇場仲間の深いところで繋がった絆の強さとか人情とか、下町ならではの温かさを感じる。

ジョジョ少年の子供らしさ溢れる聡明さとか主人公でもある父親(ピゴワル)のルックス然り憎めないキャラ達に救われた。悲壮感の中にもふと笑顔になれる瞬間がより一層輝いて見えると言うか。

途中、若干のもたつき感も後半にかけての巻き返しが素晴らしかった。
グッとくるシーンがあればミュージカルなシーンにワクワクしたり、冒頭の布石のネタばらしからのラストの締まり具合なんて申し分無く感動的だった。

そして、通してアコーディオン効果は大きいところ。
みんと

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