「第9地区」を観てきた。
ある日、南アフリカのヨハネスブルク上空に現れた宇宙船。調査隊が内部に侵入すると栄養失調で難民化したエイリアンだった。彼らは難民としてヨハネスブルクの第９地区で隔離される事に。しかし第９地区はスラム化し地球人とも諍いが起こり始めエイリアンたちは新たな地区への移住を迫られる。このへんの下りがニュース映像やインタビュー映像などでドキュメント風に語られる。
もうこのあたりが爆笑！まるでコントのようなシチュエーションなんだけど、ここまでリアルにするとどんどんその世界観に惹き込まれる。エゴ丸出しで行動する人間とエイリアンの思惑。
パワードスーツによる銃撃戦。最初は南アのアパルトヘイトを暗喩とした社会派かと思いきや中盤から、え！そう行くの？ってな展開になり、後半は一級のアクションエンターテイメントに展開し、最後にちょとっろジュンっとさせちゃうニクイやつ。
そして作品には有名俳優が一切起用されていないのでそのあたりも逆に成功している。
始めは醜いエイリアンたちが話が進むに連れて、だんだん慣れて気にならなくなると、逆に人間の醜い面がどんどん表に出てくる対比が面白い。
人間って弱っているマイノリティには平気で権力振りかざすという戒めもあるんだろう。
興味本位で観にいったんだけど大正解の一品。まぁ珍品と言ってしまえばそれまでだが私はかなり好き。
もう一回観にいってもいいと思った。
注意として、飲食しながらの鑑賞は禁物！映像はハッキリ言ってグロい。
あと甲殻虫類がダメな人はダメだろう。
（以下完全ネタバレ注意）
物語中盤でエイリアンが溜め込んでた宇宙船の燃料を浴びちゃった主人公が何故にエイリアン化したのかがよく解らん。
最初は怪我した主人公の左腕がエビ腕になっちゃってもうほとんど仮面ライダーの怪人かライダーマン状態！
っていうか宇宙人のデザインが怪人エビ男。
それでリアルに話しが進んでいくのがもうギャグにしか見えない。ツッコミどころは満載で確信犯なのかなんなのか…
（2010年04月22日レビュー転載）
