セデック

第9地区のセデックのレビュー・感想・評価

第9地区(2009年製作の映画)
4.5
今まで見た映画で一番興奮した作品だった!生まれた時からずっと見たかった要素満載の社会派SF映画やった!

ヤヌスカミンスキーとスピルバーグが、「プライベートライアン」で戦争映画に革命を起こして以後、スタンダードになったリアルな銃撃戦描写にマクロスの板野サーカスなどジャパニメーションへのオマージュやどぎついゴア描写、違和感のない宇宙人のCG合成とかもう語りつくせぬもので溢れかえっている。

ドキュメンタリー調のPOVでありながら、SFアクションでもある稀有な作品。成立し難いジャンル同士を一つに集約させた点で、21世紀のSF映画史に残ると思う。このジャンルホッパー感覚は、ジェームズキャメロンそっくり。

宇宙人のパワードスーツに内蔵されている武器ガジェットのデザインが、とにかくイカしてる!「ラチェット&クランク」に出てきそうなガラメカっぽくて涙が出そうになった!

人間からエビに変身していく過程のキモさは、まさにクローネンバーグの「ザフライ」そのもの!ドン引き級の凄まじい特殊メイクが、映画の内容に真実味を与えている。

わずか30億というハリウッド映画にしては低予算の映画でありながら、その独創的なオリジナリティとリアリティは、「ターミネーター」に匹敵する。
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