セデック

秋刀魚の味のセデックのレビュー・感想・評価

秋刀魚の味(1962年製作の映画)
4.0
マザコン監督の映画は、あんまし好きじゃないんだけど、これは凄い。
戦中世代と戦後世代のジェネレーションギャップを上手くとらえている。
太平洋戦争を「こないだあった修学旅行楽しかったよな」みたいなノリで、懐かしむあたりに、リアルさを感じる。
平和ぼけしたうちらには、到底真似できない日常感覚。
小津安二郎を尊敬して、演出まで似せようとする輩がいるけど、俺から言わせれば、じゃあ初期のサイレント時代の作品から徹底的に真似しろよって言いたくなる。
基本的にトーキー時代の作品は、サイレントの癖が抜けてないから不自然な箇所もある(当然それはそれで良い事なんだけど)。
だから、真剣に本気で晩年の小津演出を自分のモノにしたいなら、まずサイレント時代のアメリカンコメディから学ぶべきだ。
完全に習得したら段々垢抜けて、小津調になっていくかもしれない。もちろんそうなるとは限らないけど…
しかし、小津信奉者に会うといつも思うことはそれ。
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