ペンバートン

第9地区のペンバートンのネタバレレビュー・内容・結末

第9地区(2009年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ヨハネスブルグにエイリアンが飛来した20年後、180万体に及ぶ彼らは難民となり、エイリアン指定居住区域「第9地区」に隔離されていた。特別地区の移転をめぐって、彼らとヨハネスブルグ住民は対立する中、エイリアン支援組織「MNU」のヴィカスがこの大引越しを指揮することになるのだが…

南アフリカ・ヨハネスブルグにおけるエイリアン達の人類からの隔離や対立の描写には、かつての「アパルトヘイト」という背景が透けて見える。また、エイリアンに感染し、共存の道しかなくなってもなお、ヴィカスはエイリアンを蔑み続けるが、聡明なエイリアンたるクリストファーが自らの感染症を治せると分かるや否や、彼に助けを乞い利用しようとする姿は彼の利己的で醜い人間的な一面の象徴だろう。(彼はエイリアン殺しは嫌うものの、作中随所で、エイリアンの卵を燃やして喜んだりクリストファーを蹴落として自分だけが助かろうとするなど、偽善的なクズである。)