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Sweet Rain 死神の精度のtmcてむしーのレビュー・感想・評価

Sweet Rain 死神の精度(2007年製作の映画)
2.7
伊坂幸太郎の同名小説を原作として、日本映画では6年ぶりに出演する金城武が主演。
原作の「死神の精度」「死神と藤田」「死神対老女」の三編を映画用にブラッシュアップした作品です。


ストーリー
死の7日前に表れ、ターゲットを観察し、死に相応しい人間かどうかを判定する死神の千葉(金城武)は、人間界に降り立つと必ず雨が降ってしまう「雨男」であり、青空を見たことがない。
千葉は担当になった藤木(小西真奈美)の観察を始める。


死神の精度→死神と藤田→死神対老女で時代がどんどん進んでいきます。
過去、現在、未来という感じ。
過去はバブル時代のようで、周りの演技が棒すぎることを除けば特別違和感はありません。
ただ、未来が…人型のアンドロイド(?)があるのに、未だに学校やバスがそのままだったり
いったい何年先なの?!どういう進化?!と思いました。残念。

メインのキャラクターは素敵。
千葉さんが、死神という割にものすごく人間くさい。
音楽(劇中ではミュージックと呼ぶ)が好きで、CDを何時間も視聴していたり
うまく人間の言葉に馴染めず、会話がちぐはぐになったりと愛らしい。
何よりも落ち着いた声が素敵で、コメディ調になってもシュールで良い。
日本映画ってコメディ調に振ろうとすると演出が漫画チックになって寒いんだけど、金城武の抜けてるイケメンというキャラクターでなんとか見れるところまで引き上げられていたと思います。

ある意味藤木さんの一生の話であり、千葉さんが人間を理解する第一歩を踏み出すお話でもある。
ただ、藤木さんのキャラクターが時の流れと共に大幅に変わっていて意味がわからなかったです。
そんなに大きく人格が変わるようなことがあったならそこ描写しないとダメじゃないか〜(;_;)
原作は未読なのですが、映画用に編集したことでズレが生じてしまったんですかね…

最後にマイナス面なんですが、ちょくちょく入ってくる謎の演出がダメでした。
犬が字幕で喋る演出だけは本当に許せなかったです。一気に画面がアホっぽくなる。
あと藤田がキスマークだらけで登場するシーンも、シリアス展開をわざと台無しにしているんだと思いますが
個人的には要らなかったんじゃないかと思いました。

金城武と老女のキャラクターはすごく良かった。