猫そぎチャンスペロッテ

かくも長き不在の猫そぎチャンスペロッテのレビュー・感想・評価

かくも長き不在(1960年製作の映画)
4.5
1960年/仏
監督/ アンリ・コルピ
出演/ アリダ・ヴァリ(テレーズ)/ジョルジュ・ウィルソン(浮浪者)/ジャック・アルダン(ピエール)/シャルル・ブラヴェット(フェルナンド)

アンリ・コルピ(芸術作風的にはセーヌ左岸派らしい、シランケド❣)監督デビュー作にして、1961年のカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞した作品です、

映像は、パリの街も建物や車も時代を感じて懐かしい感じがする、特別なことは起こらず戦争の匂いもそろそろ薄れてきて、高速道路沿いにRenaultルノーの工場がみえた、、
セーヌ川近くの小さなカフェを営む女主人公テレーズ(アリダ・ヴァリ)は、そろそろ店を畳んで故郷のショーリュへ帰るか決めかねている、

そんなある日、戦時中に消息不明(ゲシュタポに連行された)となった夫に瓜ふたつの浮浪者(ジョルジュ・ウィルソン)と出会う、、
記憶喪失だと語る彼の記憶を呼び覚まそうと、彼の住まい(セーヌ岸の掘っ立て小屋)までつけて行ったり、彼の記憶を呼び醒まそうと様々な努力を重ねる、、ヒロインの信念の強さ、真っ直さが健気でよかった😻、、♡

しかし、彼は夫なのか別人なのか、、戦後のパリに生きる女主人と浮浪者の(偶然に導かれた)出会いが、16年の過ぎ去った歳月とともに戦争の傷跡として禁欲的に描かれている、

人生の記憶に残る一番の場面は、何も起こらなくても脳裏に焼き付く、(それを最近知った)、
瞬間の映像が記憶に残る、、そうであるはずなのに、男は不幸にも記憶を失っている、😭
記憶喪失で何も求めていない男と、16年もパリにとどまり微かな希望を捨てなかった女、、🐰

無さそうな話ではなくて、何処かにありそうな話、ナチス、ゲシュタポへの恐怖心がそこにはあった、
男に分からなくても、女には昔のままの男が変わらずにいる(シランケド❗)、それは女の宝物、昔のままにそのままに、むしろ時間が止まっていたような気持が伝わってくる、

夕食の支度を整えた一瞬のカット(good!😻)、
チーズが好き、、大好きだ、、昔良く食べた、好きだったチーズは、、「ブルーチーズでしょう」、ブルーチーズだ、、硬めの、夏の、メーヌ産か?食べればわかるわ、あ〜分かるよ、(💖)

耳障りだったオペラが耳に馴染んできた🎶、
気分がとても心地よくなっていった、🙆
完璧な映画は完璧だ!!💯

男の全てを察した女、、
あなたの過去を受け入れてあげたい💕

(トッテモ、スキナエイガデス❗)