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続・新悪名のmitakosamaのレビュー・感想・評価

続・新悪名(1962年製作の映画)
3.7
スカパーにて。悪名シリーズ4作目だが、個人的にはとても好きかも。
戦前・戦後のヤクザの世界を描いた3作目までの続編だが、なんか全体的にマイルドになった。斬ったはったの殺伐とした世界観が薄らいだのが良かったのかな?

たまたま知り合った靴磨きの少女と芝居一座の相談役に収まることになる朝吉(勝)。一座には前作で登場したオカマのおぎんも出てくる。
興行にヤクザが関わりイザコザが起きる。ザ・昭和史って感じだねぇ。シリーズを通して確実に時代が進んでいるのが判る。

他の興行師とのイザコザもあり一座の金を持ち逃げされてしまい、朝吉は昔のよしみで、1作目で出てきた因島の女親分を訪ねるが亡くなっている。
同じく1作目に出てきたシルクハットの親分の世話になる。
割とシリーズ通してキャラクターが再登場することが多いんだよな。水谷良重演じる琴糸も再登場。

組同士の争いというよりも興行でのイザコザであって大きな争いじゃないのが良い。それと比例する様に全体的になんかコミカルな雰囲気に纏まってる。
なんといっても子役がメッチャ演技巧いし映画を和ませてる。ちょっとませて大人びた口調も良い。
美空ひばりの東京キッドの様に、靴磨きから芝居に歌で活躍をしていくのも見ててホッコリする。
英語まじりの田宮二郎演じる清次、オカマのおぎん、さらに少女の母親役にミヤコ蝶々。もうコテコテな喋くり掛け合いのテンポの良さにグイグイ引き込まれるわ。

今作はとっても脇役が活きたことで、シリーズ物の強みが出たんじゃないかしら。
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