◎時代考証無視の伴淳アチャコの仇討RoadMovie

1954年 宝塚映画 東宝配給 モノクロ 35㎜ 86分
スタンダード　＊所々画面損傷、コマ飛びあり

冒頭、まずいかにも絵でございますといった壮麗なお城の天守閣が映されたあと、何故か天皇の御所である紫宸殿風の殿舎の前庭で行われている御前試合。

殿様は凛々しい顔だちだが、演じているのは毱るい子という女優らしい。

御前の道場は、ボクシングやプロレスのリングよろしくロープが張られ、金色に輝く優勝カップが鎮座しているという時代考証無視のテキトーさ。

【以下、念のため一応ネタバレ注意⚠️】









その御前試合で無敵の強さを見せていた白髪の老剣士碇金平太（花菱アチャコ）に負けては藩の一大事とばかり、身分の低い臆病侍梅木鳴平（伴淳三郎）に御典医が強壮剤を無理やり飲ませて漸く勝った。

薬が切れて元の臆病者に戻った鳴平が金平太に差し出した金杯を狙った阿久大之進（益田喜頓）に襲われて金平太はあえなく絶命。

あれあれ、アチャコが開始早々死んぢゃうんだと思っていたら、息子の一平太（アチャコ二役）が父の仇を鳴平と信じて、街道を追うというお話。

旅先でスリや枕探しを生業とするゴマの蝿の辰（キドシン＝木戸新太郎）も絡んで、アチャコ伴淳キドシン喜頓四人組の追いつ追われつ、騙し騙されの珍道中。

至ってくだらないバラエティ・コメディだが、終盤の「崖っぷちのシーソーハウス」の場面では不覚にも笑ってしまった。

製作が宝塚映画だけあって、宝塚少女歌劇から女優も出演しているうえ、お姫様の侍女たちもズラズラと劇団総出でお行列。

序盤の城内「南蛮酒場」の場では、何故かアラビアンな音楽にビキニスタイルのアラビア美女たちの舞が楽しめるのが望外の眼福ではあった。

《参考》
＊ 仇討珍剣法
1954年10月27日公開、86分、コメディ／時代劇
moviewalker.jp/mv24004/

《宝塚映画祭2024 公式サイト》
第25回 宝塚映画祭
2024年11月1日（金）〜7日（木） シネ・ピピア
https://www.takarazukaeigasai.com/2024/

衛星劇場
2023.01

東宝株式会社.配給

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