アニエス・ヴァルダ監督の代表作の1つ。
妻と二人の子供に囲まれ、幸せな生活を送る若い木工職人フランソワ。ある日、郵便局で働く女性と恋に落ちる。
🌻🌻🌻「僕にはお前を抱く腕がある。でも別の腕が別の女を抱く。」🍁🍁🍁
『5時から7時までのクレオ』と本作で、アニエス・ヴァルダ監督のファンになった。この監督が作り上げる世界観、映画的語り口が好み。
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こんな映画観たことない。凄いことをやってのけている。腐ったものを美しく。大胆かつユニークな切り口から、幸福とは何かを観客に考えさせる。芸術的なホラー映画と言ってもいいかも。
とてつもなく恐ろしい、愛についての物語。モーツァルトの音楽とこの上なく美しい映像で、不倫男を全肯定する"幸福な世界"を描ききっている。主人公フランソワは一切穢のない存在として描かれているが、その発言は不倫男の常套句ばかりである。
一番印象的だったのは、木を挟んで左右交互にパンするダンスシーン。左では不倫相手と、右では妻と、幸せそうにダンスする。幸福で美しい映像を見ているはずなのに、ゾッとした。
"色"が多くを語る。街並み、自然、ファッションが完璧にカラーコーディネートされている。完璧な世界に抱く違和感が本作の肝。フェイドアウト/フェイドインが黒ではなく赤や青などとカラフルであったり、目に付く街の看板が主人公の心境を語っていたりするのも特徴的だった。
示唆的なオープニング。満開のひまわり一輪と、ピークを過ぎたひまわりたち&ぼかされた家族が交互に映る。
とあるシーンを何度もリピートして強調。これはヌーベルバーグっぽい映像表現。
女の子が赤ちゃんに話しかける光景がとても微笑ましい。大胆な授乳シーン。
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