がんびーの

幸福(しあわせ)のがんびーののレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
3.9
『テレーゼが植物だとしたら君は自由な動物だよ』

愛とは何なのか?普遍的なテーマを打ち出した映画。お洒落な雰囲気を放ちながらも、内容自体はかなり胸糞。簡単に言っちゃえば不倫のお話です。

主人公の男フランソワがとにかくクソ野郎。ただ、彼が本当に悪気ない様子で不倫をするので、見てるこっちからすると「あれ?これでイラついてる俺がダメなの…?」となってくる。いやいや、どう考えてもフランソワがクソなんだ。後半ずっと自分に言い聞かせてました笑。

堅実な妻テレーぜと子どもたちに恵まれ、しあわせな家庭を築いているフランソワが、ある日郵便局で出会った若い女の子に恋をしてしまう。フランソワ自身は、妻以外の人間と愛を築くことにさほど抵抗感はなく、むしろ「これは順番の問題。僕は両方愛しているのさ」などと自論をかます(この時点で爆笑もんなんですけどね)。不倫生活が1ヶ月あたり続いたある日、フランソワがテレーゼに何か隠してるだろと言及される。フランソワは渋々若い女の子との事情を話し、でも君のことも愛しているんだ!やり直させてくれ!と頼み込み、何とかテレーぜを説得する。テレーゼも納得し、愛を交わすのだが…。

作中でフランソワが「僕は一途なんだ」と言っていたのが印象的でした。多分その一途というのは、相手に対して一途なのではなく「愛」に対して一途なのでしょう。フランソワにとって愛を捧げる相手は誰でもいいのかもしれません。最初がテレーゼでその次が郵便局の若い娘であったように…。だからある意味彼は、そんな状況であっても誰かを愛せていればそれが幸福になるのかも。

後テレーゼを植物に例えたあたりから、やたらと画面に植物が出てきた気がする。意識的な問題かな。色のインサートもよかった。

フランスはやっぱりお洒落。

ぜひぜひぜひ
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