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ルパン三世 ルパンVS複製人間のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.9
《ご長寿の映画》Part.Ⅱ。その11。

これ、何回か観たことあるのだが、『ルパン三世』の映画の1作目なんだな、初めて知った。

これはルパンの映画としては最初にしてかなり有名な方の作品。
盗人家業のルパンと次元、五右衛門のお馴染み凸凹チームがしつこ過ぎる銭形のとっつぁんの追手から逃れながら首を突っ込んだ財宝、それは“永遠の命”。

あのちびっこくて青白い得体の知れない長髪の金持ち、預言者“マモー”。
これほどまでにキャラの立った悪役はそうはいない。

不二子の依頼でルパンがピラミッドから盗み出した財宝の“石”。これ、“賢者の石”。
その“石”がもたらす災難の数々。不二子も不二子で宝に目が眩み始め、この“石”を狙うもう1つの強大な力を利用し利用される。

ルパンは不二子に利用されても彼女を見捨てられず、その女たらしが災いを生み、ルパン、次元、五右衛門は喧嘩別れで散り散りに。

それでも、紆余曲折、腐れ縁。
誰が欠けても成し得ない壮大なトレジャーハント。

ルパンシリーズの良いところは、ただのトレジャーハントで終わらず、壮大なアドベンチャーロマンとSF要素を絶妙にミックスさせる。

そして、お宝よりも大事なモノや、盗った盗られたでは済まない人智を超えた現象やテクノロジーに触れる。

この“マモー”ですら、ルパンの人間性についていけない。「いい加減にしろ!」と手に負えず逆ギレするほど。不二子とルパンのイチャイチャにジェラシー止まらない“マモー”。

もはや、“マモー”の天敵と言っても過言ではない存在となるルパン。
“永遠の命”に固執し、独自の地球の再生論を展開する“マモー”。

この畳み掛けるような、コミカルな追いかけっこ。この独特のテンポとリズム。そして、アイデア。
ルパンにしろ、銭形にしろ、“マモー”の追手にしろ滑稽であり、流儀があり、間髪入れずに抜きつ抜かれつの追いかけっこ。

そんなコミカルで、笑いありの今やお馴染みの唯一無二の世界観を展開しながら、“マモー”なる恐るべきテクノロジーと背景を持つキャラとの因縁を描く作品。

飽くなき探究心と大胆さを持つルパンや、その一味のキャラクターがとても際立ち、銭形の必要以上の執念があり、その『ルパン三世』の不変の心理の上に恐るべきテクノロジーと“マモー”。

なかなか強烈な作品。
これが70年代のアニメ映画。凄まじい。

あら?あらららら、あらら?あらら、らぁぁぁ!
ルパンの動きがもう天才的過ぎる。

そして、“折れた斬鉄剣”の回収と、“マモー”の最後。これはもう記憶に残るどころの騒ぎではない。

かなりぶっ飛んだ設定だが、“マモー”にしろ、彼の最後にしろ、ルパンのあのアカデミックでヒストリカルな世界の中での追いかけっこにしても、ルパンと銭形の二人三脚にしても、、、不二子のお色気にしても。

こんなに破天荒な話なのに、ルパンたちのブレなさも逆にしっかり過ぎるほど際立ってる。
何から何まで染まれる最高のドキドキワクワクロマンが詰まった作品。


F:1920
M:23202
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