BOB

HEROのBOBのレビュー・感想・評価

HERO(2002年製作の映画)
3.7
チャン・イーモウ監督とアジアのスター俳優たちが贈る世界的大ヒット武侠映画。

"十歩必殺"という特技を持つ秦の官吏"無名"が、中国最強の刺客3人を倒した褒美として、秦の始皇帝に謁見する。

「剣」「天下」

これは凄い!スケールのデカさと、芸術的な映像美と、俳優力が目を引く武侠映画。

建物の壮大さ、人の数、矢の量に度肝を抜かれた。衣装、美術、ロケーションなど完璧にカラーコーディネートされた映像がとても美しい。ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、ドニー・イェン、チャン・ツィイーを同一作品で見られるのは、オールスターキャスト映画ならではのご褒美。

アクションとしては、『ワンチャイ2』以来となるジェット・リーvsドニー・イェンが白眉。この一発目のアクションシーンが圧巻すぎるあまり、それ以降盛り下がっていくような印象を受けてしまったというのが本音だが、金色のイチョウの葉が舞う中繰り広げられるマギー・チャンvsチャン・ツィイーの華麗なる女剣士対決や、湖上で繰り広げられるジェット・リーvsトニー・レオンの水滴剣術アクションなど、他のアクションシーンも芸術点は高かった。

苦手意識を持っていたワイヤーアクションが、初めて心から凄いと思えた。本格アクション俳優が行うとちゃんと本物っぽく見えることと、ワイヤーアクション技術の向上がポイントかと。

中国ワイヤーアクション映画として本作と双璧を成す『グリーン・ディスティニー』は、ぴょーんぴょーんと飛ぶ人間たちが間抜けに見えて白けてしまったのだが、本作ではジェット・リーの並外れた身のこなしと巧みな演出力によって、ほとんど不自然さを感じなかった。

嘘か真かの回想劇は、やたらとごちゃごちゃしていて、乗りづらさがあった。昼ドラ的なドロドロ愛憎劇も何だかなあ。

それにしても、トニー・レオン、何回刺されんねん。笑

255
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