尿道流れ者

櫻の園の尿道流れ者のレビュー・感想・評価

櫻の園(1990年製作の映画)
4.9
自分の陰茎を引きちぎりたいと思うことがある。女の子になって混ざりたいと思う集団がある。そういった気持ちに強くさせられるのがこの映画。櫻の園を上演するまでの二時間ぽっきり、映画自体はそんな短い二時間にも満たない。それでも笑って、泣いて、憧れてと人の感情をサンドバックかのように打ちつけて終わっていく。人個人が起こせる闘争で青春ほど惨めで痛々しい闘いはない。

女の子同士が持つ憧れとそれを超えた愛、それが僕を痛めつける。女子高生が織りなす無駄で意味のない会話が羨ましい。陰茎を引きちぎりたい。女の子同士寄り添って撮る写真。その中に混ざりたい。そして、陰茎を引きちぎりたい。燻らした煙草の煙。浮かばれない想いと共に消えてゆく煙。あぁ、陰茎を引きちぎりたい。

美しい少女達が、美しく切り取られた画面のなかにただ映える。音楽も会話も女の子達も自然のごとくあるがままに美しい。朝から始まり夜を迎えることなく終わる少女達の煌めき。その素晴らしさたるや、こんな気持ち悪い文章で表すことで距離を保たないと心が壊滅的にやられてしまうのではないかと思ってしまうほど。生まれ変わったらショートカットで貧乳な美少女に生まれ変わりたい。そのためなら何回でもリセットボタンを押す。