やっぱりカルカン

フォレスト・ガンプ/一期一会のやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

3.4
NHKBSで録画していたノーカット版を視聴。今までに見たことはなく、初見。142分なので若干長めです。

おすすめの映画として挙げる方が多く、filmarksの点数も高めですが、私にはあんまり良さが分からなかったです。2〜3回ぐらい見たら理解できるかもしれません…
アメリカンジョークや、当時の独特のノリが分からないからというのもあると思いますが、ヒロインがずっと理解不能な行動をしているため嫌悪感が強かったのが理由として大きいと思います。

一言でどんな内容か説明しにくいのですが、簡単に言うと「軽い知的障害の男性が生まれ持った強運と周りの人に恵まれて大成功する半生」の映画です。ジャンルはヒューマンドラマやコメディの分類になるでしょうか。ちなみに実話ではありません。

主人公フォレスト・ガンプの「フォレスト」は白人至上主義団体であるクー・クラックス・クランの結成者として知られるネイサン・ベドフォード・フォレストから。「ガンプ」(gump) はアラバマ州の方言で、「うすのろ」「間抜け」「愚か者」を意味するそうなのですが、KKKはまあ親がそういう思想だったんだろうな…と、何となく理解できるもののガンプの方は何故そんな可哀想な名前を付けたのか、結果的に名前と中身が一致したのは偶然だったのか、家がそういう家系なのか?など、最初からツッコミどころ満載でした。

私の勤めている会社には障害者雇用に力を入れているグループ会社がある関係で、同僚にも彼と似たような人が何名かいますが、決定的に違うのは往々にして周りの人に恵まれず、社会的には不幸だと言うことです。恐らく多くの人がフォレスト・ガンプのようなラッキーもなく、信頼できる人にも巡り逢えず、くすぶったまま人生を終えるのでしょう。
私は純粋な心がないので、この映画を心から楽しめませんでした。「こんな事あるわけない」「めちゃくちゃだ、バカバカしい」と思ったシーンもありました。特に先程も書いたように、幼馴染のジェニーの行動が意味不明、理解不能でした。確かに現実にこういう人は居ますし真意も多少は分かりますが、この映画の中では異質な存在で本当に必要だったのかは疑問に感じます。

何というか、この映画は実はそんなに綺麗な映画じゃなくて、結構皮肉っぽい所があるというか、割とダークな作品だと思います。
アメリカの1950-1980年代が舞台になっているのですが、戦争や差別などの描写もあり歴史を感じます。正直見終わったあと「この映画は何が言いたかったんだろう…」と思いました。
この映画を見て「よかった。感動した」「心が温まる」という人は、申し訳ないですが、個人的な意見としてはちょっと残酷すぎるんじゃないかと思います。

監督はバック・トゥ・ザ・フューチャーで有名なロバート・ゼメキス監督。BTTFが大好きな分、ちょっと残念に感じた作品でしたが、もうちょっと理解したいと思ったのでまた放送される事があったらぜひ見たいと思います。