観終わった後の、何とも言い表せない違和感の原因をハッキリさせたくて、考察を読んでみた。
…なるほど、やっぱそういう雰囲気を感じて違和感に繋がって、素直に感動できなかったんだな、と理解。いや、むしろ実際はもっと酷かった。
この作品は、アメリカの都合の悪い歴史には全く触れることなく作られているせいで、良い話だなーと見えてしまう。
でもこれは傑作でも偉大でも何でもない。
黒人に対する差別意識というか白人国家に対する強い支持というか…アラバマ州が舞台ならば一番大事なキング牧師がなぜ出てこない。歴史をなぞるようなストーリー展開をしていくのに不自然すぎる。
ベトナム戦争のとこの一連のくだりもそう。撤退(敗北)についてや辛かったことなどはうやむやにして多くを語らせないようにする描写とか特に変だ。
そんな風に負の歴史から目を背けたような、不完全に歴史を取り入れないで欲しい。
ゼメキス監督はジョン・レノンのことが嫌いなのかな。好き嫌いをああいう風な扱いで出さなくてもいいのに。
他にも掘れば掘るほど、これほど酷いプロパガンダ映画は支持できないしとても危険。
逆にアメリカの本当の歴史について改めて勉強になった。
歴史の間違って解釈することって、知らないってことよりかなり怖いことであって、それだけは避けなければならないと思っている。それを分かった上でも関係なくこの映画を好きだという人はまだいいけど、でも本当はこういう作りの映画を良しとしてはいけないんじゃないかな。
評価は結局各々の自由だけど、この作品に関してはまずどういうものなのかをもっと一人でも多くの人に理解して欲しいと思った。
映画って世の中の人々に対する影響力は物凄く持ってるし、単純に表面的なストーリーが良ければ感動できればそれでいいじゃんとは個人的には思えない。
このフォレスト・ガンプは、場面の繋ぎ目とか好きだし、ユーモラスな表現も好きだし、見習うべき人間的な姿勢が垣間見えたり、映画史に残る素敵な名言がいくつも出てきていただけに、その面に掻き消されちゃっている面も多過ぎてとても残念。
一応その良いなと感じれた分だけはスコアを上積みしたけど、もう観ることは無いと思う。
