まゆ

ゴジラのまゆのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
3.6

この時代にこんな映像が作れるのか…今はもっと進んだ技術を使った映像が想像できてしまうから比較できるけど、そんなこと考えなければ表現としてはまったく見劣りしない。少なくとも技術が進んでないことで見づらいとかはまったくない。今から70年前の映画とは思えないよな。

そして、冒頭部分から感じたのは、ああ、シン・ゴジラはここから来ているんだなという、この作品へのリスペクト。音の使い方や画面の流れは冒頭はほぼ踏襲してるように感じた。

ストーリーは正直過度に劇的というかお涙頂戴感も多少あるというか、「そのパターンね」ってなってしまったところはある。

今の私から見ると、人間が手を出してはいけない化学の神の領域と、それをいいことばかりに利用できない人間の汚さを封じ込めようとする葛藤に見えるのだけど、当時の人はこれを見てどういう気持ちになったんだろう。
戦後、水爆実験で被曝した漁船の事件もあるし戦中は原爆を落とされてもいる日本だし、そういう圧倒的な兵器に対する無力感や無念さを感じてるのはすごく伝わる。それが伝えたかったことかは分からないけど、そういうものに抗う方法がこれしか思いつかないぐらいに日本は弱くて何も持ってなかったんだなとも思った。だってこんなの何も解決してないし、残された人の中には納得いかない人もいると思うんだよな。そしたら犠牲が無駄になるじゃん…

「兵器を作る」ということにおいて、「ただ勝つために使う」側にいかないぞっていう意地は感じるのだけど、それは日本が戦争に負けて戦うための牙を抜かれたからこそそういう結論を出せるのであって(そもそも戦うという選択肢がない)、使うことが正しいとされるパターンもあるわけで…ここ数年はこの同じ結論に辿り着いてしまう。

まとまらなーい!!
まゆ

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