CHICORITA主任

ゴジラのCHICORITA主任のレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
5.0
言わずと知れた特撮怪獣映画『ゴジラ』の伝説の第1作。公開70周年を記念して4Kレストアされた本作ほか選び抜かれたゴジラ作品を上映するイベント「ゴジラ・シアター」の第一弾としてリバイバルされました。

本作は過去にも映画館で見る機会があったのですが、その時と比べて4Kリマスターの効果は絶大で、まるでついさっきプリントしてきたような鮮明な映像。フィルムの痛みからくる傷やガタつきもなく、音声からもノイズが綺麗に取り除かれ、現代に蘇った新作映画『ゴジラ』を観ているような気分に浸れました。

作品としては、原水爆の産んだ怪獣ゴジラと、それらをすら超える新兵器オキシジェン・デストロイヤーを巡る、科学の進歩と人間倫理の葛藤を描いた、一本筋の通ったSF映画の名作としての評価は、もはや疑いようもないでしょう。
ラストでのゴジラの断末魔の叫び、山根博士の「あれが最後の一匹とは思えない」とのセリフ。続編を匂わせる以上に、人間の愚かさに対する警句として、映画史に残る名ゼリフだと思います。

その一方で、尾形・恵美子・芹沢博士の三角関係の恋愛模様の不完全燃焼感など、人間ドラマパートには若干微妙なところもあります。
このあたりは本作の直接的続編を志向した『ゴジラVSデストロイア』が補完を試みていますが、あれはあれでまた色々微妙な部分の多い作品なので(笑)、ぼちぼち初代の続編作品をもう一度真面目に作ってみても面白いかもしれませんね。

伝説の怪獣映画『ゴジラ』を、最高の映像で楽しめるまたとない機会です。お近くに上映館のある方は、ぜひぜひご覧ください!
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