このレビューはネタバレを含みます
正直あらゆる謎がどうとでも解釈できてまさにカオス状態なのだが、この頃の黒沢清作品は理解せずともこちらが完全にmanipulateされる感じがあって、「回路」も荒廃した世界を見せつけて終わったみたいに、世界不信にこちらを陥らせ、さらにある種の狂気っぽさに触れさせるのでタチが悪い。完全に今の精神状態(弱ってます)で観ちゃダメだった、もう無敵の人にでもなれと言ってるようなもの。
わけのわからぬ動機かつ殺しをカット割らずに見せることが、本当に狂気へと突き落とそうとする一工夫というか、そこまでする監督の意図が一番怖いまである。