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カリスマの白のネタバレレビュー・内容・結末

カリスマ(1999年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

森とは世界(非社会)を指し、それは目に見えているものではなく、得たいの知れないもので構成されている。そして森のなかではカテゴリーを越えた関係を要請される。
社会の中で人間はカテゴリーと過去に囚われている。だが森のなかではそのすべてから自由になる。役所広司は森の中の混迷の泥を掻い潜り、本能的な身ぶりを取り戻す。視線を交錯させることもできない森で営まれる不条理(=ホラー)の中で、人はみな無防備である。そこでは社会性や言葉は意味を持たない。木とは物語において常に言語化(社会化)以前のものとして屹立する。
一心不乱に興じられるアクションと、タルコスキーを想起させる自然のエレメントが映える映像に興奮した。ストーリーの因果性はわりに取るに足らない。
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