「嵐が丘」
映画史上、数多くの翻訳がなされてきたエミリーブロンテの嵐が丘をリベットの長編第11作目となることになって、今回DVDで初鑑賞したが面白い。嵐が丘の前半部分の極めて忠実な映画化と言う意味で、彼の作品の中でも極めて異色の作品として位置づけられている。特に他の映画版嵐が丘との違いは主人公たちを原作通りに非常に若く、要するに20歳前の思春期に設定したことである。そこからキャスティングされた役者のふしぎな美しさは監督と女優との幸福な関係を語って余りあるのだろう。一見して優雅な演出家の撮った映画に見えるが、一つ一つのシーンを見ていくと、俳優の自由さを生かした監督ならではの映画と了解できるのかも。