億千

私は告白するの億千のレビュー・感想・評価

私は告白する(1953年製作の映画)
-
そういうことかぁ〜!が分かるたびに、じゃあ詰みじゃん?と絶望していくお話。

ヒッチコックの奇妙なちょっとイっちゃってる人の描写が秀逸すぎる。それでいて、そういう人物に対して視聴者が同情の余地を持ったりとか、背景を考えたりとか、させそうでさせない。イっちゃってる奴をイちゃってるまま突き抜けさせるのが見ていて気持ちいい。

主人公の神父は告発をしようかすまいかで悩んでいるのではなく、そこは絶対にしないと決めているからこその周りを巻き込んでいくことに対してのしんどさを抱えている。神父としての責務を最初から全うしているのに責められる構図がとても辛い。

それでも神父が貫き通してきた信念が着地する場所に納得したし、神父のするべきことは聖職者になった時から変わっていないのだということが分かるラストでした。
億千

億千