しゅん

瀧の白糸のしゅんのレビュー・感想・評価

瀧の白糸(1933年製作の映画)
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女優が制作会社を立ち上げて(入江プロダクション)作られた。サイレント期の溝口はカットを割と割っていることがわかった。御者と馬車と客席を交互に映していくサスペンスとユーモアのモンタージュは溝口ではみたことない。

橋の上で男(岡田時彦)が寝ているのに気付く入江たか子を映した夜のロングショットがとても強い。凱旋門のような橋の形、その間(だったよな?)に位置する入江、寝ている岡田の影、しながれる柳のバランス。入江が一回障子の裏に消えてもう一度左側に現れる告白シーンも印象深い。水芸のシーンはとてもよかった。

後半は鉄格子や窓枠を活かしていた記憶。公判シーンのアップの高低差は(それほど個性的ではないかもしれないが)『裁かるるジャンヌ』のよう。最後の最後、立て続けの悲劇のスピード感になぜなのか快感を覚える。
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