瀧の白糸の作品情報・感想・評価

「瀧の白糸」に投稿された感想・評価

義理と人情を大切にする美しい太夫とそれを取り巻く義理堅い人々との結び付き、それを引き裂く低俗で粗野な男たち。

月をバックにした橋でのシーンは大変ロマンチック!髷をスルッとほどくしぐさの妖艶さ。
劇場での水が華やかにしぶく芸も素敵。

優雅に流れ続けるバイオリンの音色が突然不穏になる演出が、美しい白糸が張り詰めた様に感じて恐ろしかった。

溝口作品にしては珍しく相手役の岡田時彦が大変凛としていたからこそ、綺麗なままに進んでいった結末と展開。二人の想い合う美しい関係性が素晴らしかった。ラストは、強い絆の二人だからこそこれで良かったのだなと合点した。憂よりも美が勝ってしまった作品。こんなメンタリティの人間はもう日本には居ないのでしょうか…
活弁士さんの抑揚が素晴らしくとても良かった。
まつこ

まつこの感想・評価

5.0
ままならないのが浮世の常。
水芸人の悲劇。

愛している男のために気高く働く白糸姐さんにいやらしい男たちが罠を張る。「芸は売っても躰は売らない!」と啖呵をきる姐さんに襲う運命の悪戯。哀しい嘘と罪と罰。

女が嫌う女の浅ましさ、男が求める女の強さ。男なんて弱っちいいきものなのですよって姉に向けたメッセージなのかといつも斜に構えてしまう。

弁士の松田春翠さんの声がノリノリでいい。得意の作品だったらしく名調子なのだそう。そこに合わさる心地よい調べ。

溝口のお家芸的な作品だったけど白糸姐さんの涙にボロ泣きした。粗い画像の中で光る涙が本当に美しかった。
2014年10月4日、池袋・新文芸坐で鑑賞。 

作品は、溝口健二監督の1933年マツダ映画社の無声映画。 
入江たか子が美しい。 
岡田時彦(岡田茉莉子の実父)もなかなかのハンサム。 
浦辺粂子のクレジットもあったが、若すぎたせいか、どの女性か分からなかった(笑) 

物語は有名な泉鏡花原作のアレである。 
つい最近、若尾文子主演『滝の白糸』も観たが、あちらが結末を変えていたようである。

こちらの溝口監督作品の方が、必然的に素晴らしい。 
傑作である。
この映画を同時代でご覧になった当時の観客たちは後にヒロイン入江たか子が鬼監督に「化け猫女優」と虐げられる姿をどのように捉えていたのか?想像するだけで恐ろしくなります。 溝口健二「瀧の白糸」

その時の相手が誰だったか忘れましたがその相手は溝口と共に入浴中、彼の背中の傷を見て息を吞んだそうです。
溝口曰く「これですよ。女に切られでもしなけりゃね、女なんて描けませんよ」
痴情のもつれか?あるいは娼婦に切られた傷でしょうか?

また映画のために娼婦たちの生活を調査した際、その実態に打たれた溝口は大泣きして世の男どもの非礼をまるで自分の罪の赦しを乞うが如く彼女たちに詫びたそうです。

さらに奥様が統合失調症だった溝口が女の生きざまを描くとなれば演じるヒロインが無傷でいられるわけがないのです。

個人的に芸術家の暴君伝説の殆どにおいて少しのエピソードが増幅して語られたものだと思い込んでいる私ですが溝口の鬼暴君ぶりは一部の誇張もない、と思っております
ヒモ史上いちばんかっこいい
サイレントミゾグチもいいな
トーキーミゾグチよりわかりやすいし
てぃだ

てぃだの感想・評価

4.7
溝口健二サイレント期の傑作どころか冗談抜きで邦画史に残る傑作ラブロマンスだと思う。ただただ美しかった。
Naoka

Naokaの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

日本のサイレント映画は初めてみた。
面白かったです。

滝の白糸さんがお美しくて、義理人情に厚く、儚く、もうこの人に会えるだけで見る価値が存分にある。

白糸さんの欣さんへの愛。無償の愛、、
うっとりしました。
さど

さどの感想・評価

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鏡花による悲恋文学の金字塔。白糸と欣弥の出会いのシーンが白糸の回想として描かれるが、この後もたびたび用いられるこのフラッシュバック用法が、夢に囚われながらも現実の世界を生きねばならない薄幸の白糸を如実に表している。死期の近付く白糸のゾッとする美しさに目を奪われる。
yuko

yukoの感想・評価

4.0
1番最近観たのは
2016.7.3 札幌プラザ2.5
地下の35㎜映写機最後の上映。
(札幌映画サークル)
活弁:麻生八咫さん
ひとみ

ひとみの感想・評価

3.7
無声映画。弁士:片岡一郎さん

鏡花作品のリズミカルな文体がとても好きで、きっと活弁に合うであろうと思って行ってみたこちらの作品。
いい!すごくいい!!
映像と話芸に一体感があって、作品世界にひきこまれました。

ストーリーは、一瞬で恋に落ち最終的に男女ともに死ぬ鏡花あるあるな内容で、純粋さが孕む狂気がとても美しい。
再会のシーンで流れるトロイメライの旋律も抒情的な世界観と重なり、ともすればコントになりかねない極端な話をしっとりとまとめていました。
弁士さんが変われば作品の印象も変わるのかは興味があるところです。
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