LION

トイ・ストーリー3のLIONのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭でアンディの声を愛おしそうに聴くウッディの表情で技術がかなり向上したことがわかった。
クライマックスでの互いに身を寄せ合う諦めたおもちゃたちの表情、とても辛く哀しい。人間にできないのでは。

おもちゃたちがかなりピンチになっていたが、その中でバズ、ジェシー、リトルグリーンメンの新入りたちが馴染みかなり成長していた。動きもずいぶんリアルになり、手触りが想像できた。今まで固かったバズがスパニッシュモードになって、表情の幅が広がり面白かった。
友達を大切に、自分の正しい道を進むまっすぐさはそのまま、今回は、成長し別れることの寂しさとそれを乗り越え自分も成長していくための勇気が描かれていた。

また、ウッディが疑われるのが気の毒。ミーティングのシーン然り、一作目とはまた違う、リーダーゆえの孤独がより強く感じられる。
おもちゃグループが確実に変化したのが分かった。

ボニーのみんなと馴染めなさそうなキャラクターがいい。先生から探されているシーンはよかった。
お芝居が好きで一人になりがちだが、創造力が豊かで優しく、子供らしい乱暴さや自由さもある。
ここにおもちゃたちが集合しすみかにするエンディングは、ボニーの次の家まで想像できる、幸せな成長の形として良かったのだと思う。

ロッツォの過去を描くことで、最大の裏切りの瞬間の絶望感が増して良かった。
バズやジェシーが特に感じてきた、自分の代わりはいくらでもいる、自分は愛されない、という哀しみは、次第に心を歪ませ、疑心暗鬼になる。ロッツォのように…。
そんな絶望の縁から這い上がり、また誰かを幸せにしたいと希望に燃えている二人を良い雰囲気にさせたのはわかる気がする。凸凹なのが可愛い。

声優については、ニューオリンズ訛りのロッツォが良かった。ミセスポテトヘッドのエステルハリスは前作よりもオバサマ感が増していて、キャラクターが強くなっていた。俳優の大きな愛が詰まった作品に思えた。
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