西東京

阿賀の記憶の西東京のレビュー・感想・評価

阿賀の記憶(2004年製作の映画)
4.8
住民が話す言葉に字幕がないことから、前作とは全く違う目的で作られたことが分かる。何を話していたのかはどうでもよくて、言葉を発する/発しないが存在の問題に関わっている。抽象的な映画についての映画。前作で隠されていた作為的な部分も、白飛びのような技術的ミスも意図的に挿入される。
木に吊られたスクリーンに映写されると『阿賀に生きる』の記憶装置としての側面が浮かび上がる。撮られた映像はそこに「ある」が、録音された声や音は映ってい「ない」もの。魂のPOVみたいな、人の目線よりも高い位置のカメラがスーッと浮遊するオープニングから怖くて引き込まれる。
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