1950年のルネ・クレール監督作品。悪魔メフィストフェレスは、老教授ファウストを青年アンリの姿に若返らせて魂の契約を結ばせようと画策するが・・・。
昔に読んだ手塚治虫の『ネオ・ファウスト』を思い出した。際限のない人間の欲深さがすごい伝わるね。工夫を凝らした撮影と演出は、なかなか見もの。メフィストフェレスが化けたファウストを演じたミシェル・シモンの道化のようなコミカルな演技が最高でした。急速な科学技術の発展が世界を滅ぼすくだりは当時の世相を反映したものだろうか。
ラストの息もつかせぬ展開は楽しめたけど、アンリがあのままのハッピーエンドは、さすがにいかがなものかと思わずにはいられない。