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海女のリャンさんのmhのレビュー・感想・評価

海女のリャンさん(2004年製作の映画)
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在日一世の女性とそのご家族のドキュメンタリー。
在日の女性が出稼ぎで――日本各地の海で海女をやっていたのは①済州島に海女が多かったのと、②実入りが大きかったことを把握。
そういや「HARUKO ハルコ」でも海女のくだりがあった。いままで気にしてなかったけど海女=在日のかた(および出自に特徴があるかた)という認識でいいのかもしれない。
主人公であるリャンさんは済州島4・3事件の被害者でもあった。在日のみなさんの多くがやはり済州島4・3事件から逃げてきたひとたちであり、だからこそ、故郷でもない北朝鮮国籍を選んだひとが多かったことも、ようやく把握。(そもそも共産党員だったひとに加えて、軍事政権下韓国およびアメリカに反発したひとも多かったため)
国籍が朝鮮だから韓国に入国できない(ビザが取得できない)→韓国に行くためには国籍を変える必要がある→北朝鮮にいる家族のため国籍を変えることはできない。とのくだりは「かぞくのくに」でもやってたね。
作中ではあまり触れられてないけど、リャンさんの旦那さんも朝鮮総連のもとで活動されていたかたのようで「ディア・ピョンヤン」に似ているところも見受けられた。
北朝鮮第二の都市、ハムフン(咸興)の映像は初めてだった。平壌みたいな冷たさはないけど、やはり共産主義国家特有の質素な都市だった。
太陽政策真っ最中のころで、万景峰号が就航していたころの話。(拉致被害者問題の影響で2006年10月以降は北朝鮮の船舶は入港禁止)
また、日本赤十字社とともに帰還事業にあたっていたという朝鮮赤十字会の存在を知る。これは名ばかりで、実態は北の秘密組織とのこと。
公開された2004年以降のリャンさんを知りたくとも、ウェブ上にその情報は見つけられなかった。
アル中でDVしてる息子さんのくだりが、だめだとわかってるのに外野はなにもできない北朝鮮問題と重なって見えてしまってしょーがない。
その年のキネマ旬報一位とのキャッチコピーがあるけど「文化映画」というくくりだった。埋もれたドキュメンタリーということで間違ってないと思うんだけど、けっこう面白かった。
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