新聞広告で集められた被験者を「看守役」と「囚人役」に分け、模擬刑務所で生活をさせる…。アメリカの大学で実際に行われた実験を題材に描く、スリリングなドイツ映画。
実際に起こった実験を元に制作されていたというが、性格が全く違う人間に違う役割を与えただけなのに関わらず、役割を与えられた人物は徐々に変化していき、次第に狂気に変わる心理描写はショッキングで怖く実験とはいえ、ここまで人は追い詰められると変化するものなのかと恐怖した。正直、下手なホラーやサスペンスよりも精神的にきて、尚且つ胸糞の悪さもプラスされ、途中で気持ちが悪くなるほどで見終わった後はかなり後味が悪く精神と体力を削られた。宗教やカルトなどにのめり込み抜け出せなくなる様な人の心理状態や精神状態とも何か通じるような、かなり人間という生き物の怖さを描いた作品であった。