『鶴は翔んでゆく』での人間離れした撮影に、キューバの絶好のロケーションとセンセーショナルなテーマをブレンドして発展させた感じの傑作。
屋上から水中へと至る序盤のショットや、バルコニーから空中へ抜けて葬列をハイアングルで捉えるショットなど、もう訳がわからないほどすごい。
ナイトクラブのシーンなんかも凝っている。『マーベラス・ミセス・メイゼル』というドラマのS3のどこかでオマージュシーンがあったけど、比較にならないくらい今作の方が優れている。
なかなか真似できない芸当だが、『鶴は翔んでゆく』と比べると、かなり大胆さを増していた印象。ヌーヴェルバーグ以前以後の差かなと思った。