空

ファニーゲームの空のレビュー・感想・評価

ファニーゲーム(1997年製作の映画)
3.0
人間の不快感を煽る映像を撮らせたら右に出る者がいない映画監督ことミヒャエル・ハネケの代表作。ある金持ち一家を襲う理不尽な悲劇を、全編ほぼBGMなしで淡々と映す。流石その道の巨匠だけあって、もう序盤から悪役2人組の言動が堪らなく鬱陶しくてイライラさせられる。

そして後半にとあるえげつない展開があり、そこから始まる10分弱の長回しのシーンは圧巻。音も動きも少ない中で、これでもかとばかりにこちらを嫌な気持ちにさせてくる。

さらに、所々で第四の壁を飛び越えて観客を劇中の「ゲーム」に巻き込んでくるスタイルも不気味。「善良な市民が痛めつけられる様子を娯楽として観てるお前らってどうなのよ?」と言われてるようで頭が痛い。
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