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網走番外地のbluetokyoのレビュー・感想・評価

網走番外地(1965年製作の映画)
3.8
キワモノ映画にならずによかった。
ドキュメンタリータッチがいいけど、撮影は大変だったろうなあ。
ストーリーは良くできていて、飽きさせない。最後のシーンにうまく着地させている。

あらかじめ内容を知りたくない人はここから先は見ないでください。
網走刑務所に囚人が連れ込まれてくる。その中に橘真一(ちょっとやんちゃな高倉健さん)というやくざ者がいる。
獄中生活の合間に橘真一の回想が入る。
母子家庭で妹が一人。あまりの貧しさから母親は意の沿わぬ男と再婚。そいつが粗暴な人間のクズみたいなやつ。
橘真一はついにブチ切れて家を飛び出す。
やくざになり、殴り込みで人を切って、傷害罪で刑務所へ。
おれはどこまでバカなんだ、どこまでいってもバカの繰り返しだ。
と言っているうちに、妹からの手紙で母親が病気で倒れたことを知る。
くそー、早く出所して、母親に会いに行かなければと焦るがどうすることもできない。
そんなとき、獄中で脱獄の計画。仲間を売ることも出来ず、脱獄となったら巻き込まれてしまうに違いなく、そのはざまで悩む。
ある夜、囚人の一人が、腹、いてー、と騒ぎ出す。職員が駆け付ける。職員が牢の中に入ったら、捕まえて人質にする手はずだったが、じじいの囚人が、腹が冷えたのでしょう、あったかくして、朝、医者を呼べばいい、と言い、職員は撤収。脱獄計画はあえなく失敗。
てめー、裏切りやがったな、ふくろにしてやる、とじじいの囚人に詰め寄る囚人たち。
凶悪犯と知られた鬼寅とは、このオレ様のことだ、とじじい囚人は啖呵を切る。囚人たちはおみそれいたしやした、と恐れ入る。
実は、じじい囚人は目を掛けてくれる橘真一のために脱獄計画をつぶしたのだ。
ある日、伐採作業に駆り出された囚人たち、トラックの荷台に乗せられる。途中で飛び降り始める。脱走である。
もちろん橘真一は脱走する気がないが、権田と手錠でつながれていたために、脱走する羽目になる。
もう少しでシャバに出られるってえのに、オレを巻き込むなよ、と橘真一。妙な気を起こせば、おめえもグルだったと言い張るからな、と権田。
殴り合いながらも逃げ延び、あるところで、手錠を切ろうということになる。鉄道の線路で切ることにして、二人で寝ている。
うまい具合に切れたが、権田ははずみでがけ下に転落、大けがを負う。
こんなクソやろうは置いていこうと橘は行きかけるが、権田の、おふくろ、という言葉で思い止まる。
追い付いた保護司、妻木(冷静沈着な丹波哲郎さん)に罪を認めるので権田を助けてやってほしいと頼んだ。
すると、権田はか細い声で、いや、橘は関係ないと、答えるのであった。
妻木によると母親は手術を受けていまは無事だということだった。
ああ、よかった、という最後。
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