スティンプソンGon

十二人の怒れる男のスティンプソンGonのネタバレレビュー・内容・結末

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

濃密な人間の在り方が一つの事件を深掘りすることで見えてくる構図
今年アカデミー賞を受賞した落下の解剖学と似たような構図で最近落下の解剖学を見たので比較してみても面白そうな感じがした。

事件の内容的にはHERO(キムタクのやつ)のドラマの1話内で疑問に気づいて検証して反論してスッキリ!みたいな構図で見かけそうな内容。それを陪審制度と議論というものに集約するとこんなに見えてくるものが違うんだと思った。

誰もが名乗るわけでも、身の上話をこんこんと順番に語るわけでもないのに、事件を紐解く鍵が陪審員のパーソナルな部分に紐づいているからなんとなく人物像が見えてくる。
あの蒸し暑さや気怠さ、いろんなものが伝わってきた。

ラストの去っていく様がいい

陪審員10番の人が必死にスラム街の人間の悪さを説いているとき、少しずつ椅子かり立ち上がり顔を背けるシーン
黙っていても声を荒げなくても不服従の意志をこうして伝えることもできるんだと教えてもらった。

2023.11