ぼとる

十二人の怒れる男のぼとるのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.4
極上の推理会話劇。

十二人の陪審員が一つの殺人事件について協議し合い、事件の真相を推理していくという内容。

回想シーンや犯人や目撃者たちの本人の会話すら無し。映画90分間、ただただ集められた男たちが密室空間で会話するだけ。

しかし、面白い。
男たちの会話を聞いているだけなのに、ここまで頭の中で丁寧に殺人事件の概要が整理され、何が疑問点で、何を追及しなければならない点なのかが明確になる会話劇は初めてでした。

話のテンポと話す時の熱量、そして結論と根拠がわかりやすくまとめられることが如何に重要か、映画を通して再認識させられました。

この十二人もなかなかの粒揃い。
一人ひとりの人物像が、会話劇の中で浮き彫りになっていき、その人がなぜそのような考えを持つのか、話の中の態度で納得できてくる。

会話劇のお手本のような作品でした。凄い。
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