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十二人の怒れる男のTheDudeのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.9
キャラクタースタディーのお手本のような作品に感じました。性格やバックグラウンドの異なる男達がとある状況においてどのように影響し合うか。今作は父親の殺害容疑を掛けられた18歳を裁く12人の陪審員たちの話です。

とにかく脚本が素晴らしい✨
1つの部屋に閉じ込められた男達の会話だけなのに、ストーリーに吸い込まれました。それぞれの人物のキャラが立っており、それを表現した序盤の長いワンテイクも見事でした。
ミステリー要素も楽しめますが、それはあくまでもストーリーを進めるマクガフィン。それだけ彼らの討論だけで緊張、対立、苛立ち、ユーモア、モラル等々全てが伝わってきます。

個人的に最も好きなシーンはラストのラスト(ネタバレはしません)。主人公と老人との一瞬のやりとりです。友人でも知り合いでもない全くの他人同士の彼らが偶々陪審員として集められ、狭い一室であれだけのドラマを引き起こした。今作のミソを端的に表現していて大好きです。
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