はまち

蛇にピアスのはまちのレビュー・感想・評価

蛇にピアス(2008年製作の映画)
4.5
原作が芥川賞を取った当時、
自分と同世代の二十歳そこらの女子がまさか、と、すぐさま読んでみたものだ。

マゾヒズムへの目覚め。
当時の私には難しすぎたよね。
ピアスはしてたけど耳たぶで精いっぱいだし、
マッサージくらいでしか痛みを快感だとする感覚にはならん。

ただ、不思議なもので、
共感できないイコールつまらない、興味が湧かない、
というものではないのだ。
とかく、十代の多感な時期は、様々な物事にアンテナをはっていて、
大人になって自分の好き嫌いがハッキリして来るとスルーしてしまうようなことに対しても、
なんらかの考察はしてしまう。
自分にはその片鱗があるのかな?どうかな?と自分の内側を見つめてみたりして。
無かったとしても、なんか理解しようと思う好奇心にも似た感情で新しい何かを求めたりする。
そしてそれがけっこう楽しい。

映画ではとにかく吉高由里子ちゃんが魅力的であった。
だからこそ、より、理解したい、共有したい、そんな気持ちが高まって、
自分にはさっぱりわからない「痛みによる快感」を少しでも自分の内側に取り入れてみたくなったものである。
逆に最初から共感できる人もいるわけで。
そんな人たちの感想はまた私とは違うのだろう。
しかしだからこそこういう作品は貴重だし面白いしみんな観たくなる。
ほんで、曲をCHARAでやる、ってとこがもうずるい。
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