アカデミー賞の特別賞(後の外国語映画賞)を受賞した映画ということで試しに見てみたら、予想以上に良い代物だった。
17世紀に実在したらしい一人の神父を描いているのだけど、色んな意味で荒れた当時のフランスをドライヤーやベルイマンみたいな静謐さのある映像表現で描写しているから2時間弱見入ってしまった。
脚色は確実に入っているだろうけど、主人公の神父の行動は誇り高くも苦難に満ちたもので、後のナサリンや田舎司祭の日記に通じる要素もここに見られた。
最後駆け足気味になってしまった感はあるが、映像作りが存外上質だったおかげで満足のいく出来となっていて、アカデミー賞特別賞受賞は伊達ではないと唸ったし、この監督の他の作品にも興味を抱いた。