タラコフスキーさんの映画レビュー・感想・評価

タラコフスキー

タラコフスキー

鑑賞映画の備忘録

映画(1368)
ドラマ(2)

陽炎座(1981年製作の映画)

5.0

パラジャーノフとかの芸術作品が好きな身として、鈴木清順の最高傑作と目さずにはいられない。

日本という国の芸術文化でしか描けない妖しくも美しい世界観を築いた作品は大抵好きになるけど、中でもこの作品は特
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ざくろの色(1971年製作の映画)

5.0

映画とは動く芸術であるという概念を植え付けてくれた奇才パラジャーノフの代表作。

この作品で描写される神秘的で異国情緒溢れる出来事は、あまりに美しくて何度見ても唖然とする。

この世で数多ある映画の中
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コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)

3.5

あまりこういう言葉は使いたくないけど、後にテレンス・マリックが作る映像作品同様「意識の高い」作品となっていた。

ただひたすら岩壁とか雲とか巨大な人工物とかをフィリップ・グラスの神秘的な音楽と一緒に映
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街の灯(1974年製作の映画)

2.9

youtubeで参考までに見たガロの出演場面ではめちゃくちゃ万引き家族臭がしたから結構気に入りそうだと思ったけど、決してそれが主題ではなかったから満足できなかったという話。

ロードムービー的要素にし
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夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

3.7

期待したものとは少し違っていたけど、不思議さのせいで変わった印象の残る映画となった。

というのも、この映画に一人謎の男が登場して奇妙な行動を取るのだけど、そいつが出てくるシーンはさながらブニュエルの
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トム・ジョーンズの華麗な冒険(1963年製作の映画)

2.9

アカデミー賞で作品賞を受賞したにもかかわらず日本でDVDレンタルが出来ない数少ない映画(第二次大戦後の映画ではおそらく唯一)ということだけど、そんな状況の理由もなんとなくわかる気がする。

古典的な作
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パンドラの箱(1929年製作の映画)

4.9

サイレント期から活躍した監督でムルナウやラングに並ぶ程優れたドイツ人監督なのに今までその作品にあまり触れてこなかったパプスト、その代表作をようやく鑑賞したけど洗練具合では特に秀でたサイレント映画の一つ>>続きを読む

カラヴァッジオ(1986年製作の映画)

4.3

次作のラストオブイングランドやウォーレクイエム程に力強いものは無かったけど、映画とは動く絵の連なりのようなものだと言わんばかりに絵画的な映像の連続は中々目に心地良かった。

画家に関する映画だけに、山
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死闘の伝説(1963年製作の映画)

3.9

久々に木下惠介の作品見てみたけど、良いところは凄く良いけど手放しには褒められない難点もあってちと困った。

まず全体的に黒澤明と溝口健二の中間の如き撮影は非常に良く、冒頭の村の美しさも後の展開を見ると
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十代の夏/ブルー・ジーンズ(1958年製作の映画)

4.6

十代の夏(rentree des classes)は56年公開の短編でブルージーンズはその2年後の作品、全く別物なのにごっちゃにしているなんてこの項目作った人間は一体どういうつもりなんだろう?

とい
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ストリート・オブ・クロコダイル(1988年製作の映画)

4.5

ヤン・シュヴァンクマイエルの世界観を更にどんよりさせた作品で知られるブラザーズ・クエイの代表作。

ブルーノ・シュルツの短編を映画化しただけあってヴォイチェフ・イェジー・ハスの砂時計に似た雰囲気を醸し
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東京物語(1953年製作の映画)

5.0

職場の薄明るい廊下で黒と茶色の混ざったアイツの死骸を見かけて非常に不快な気分になったが、そういえばこの映画を初めて見たときも奴が途中で現れてちょっとしたトラウマになったことを思い出し、久々に再鑑賞。>>続きを読む

リオ・グランデの砦(1950年製作の映画)

3.9

やはりジョン・フォード作品はモノクロの方が映える。

騎兵隊のキャンプの様子も見ていて頗る楽しいが、それ以上にそこで親子の複雑な関係や駆ける馬等を瑞々しく描いているのが特徴的で良い。

相変わらず敵は
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アフリカの女王(1951年製作の映画)

2.5

何度見てもそれまでとは別人のような役を演じるハンフリー・ボガート以外特段面白くない、というか船でのドタバタはともかく吊り橋効果で良い関係になるハンフリー・ボガートとキャサリン・ヘップバーンの関係性が心>>続きを読む

死後の世界(アフターライフ)(1978年製作の映画)

3.8

色彩鮮やかで快い悪夢のような作品。

死後の世界なんて望み薄だけど、こうして浪漫を形にするような試みは嫌いじゃない。

というか世界観とか音楽とか仏教っぽいと思ったら作者カナダ人の仏教徒だったのね。

恐怖のまわり道(1945年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

全体的に演出が劣化フリッツ・ラングにしか思えないし主役の顔はいちいちくどいしモノローグもウザいしで、基本どこが面白いのか全くわからなかったのだけど、終盤扉越しにヒロインの首絞めてしまうシーンだけ面白か>>続きを読む

ハピネス(1998年製作の映画)

3.9

タイトルに反して日常生活で幸福感を味わってない人間らの姿を淡々と描いてて、若干長さは感じたけどアルトマンやPTAらの群像劇を髣髴とさせるものがあって、映像に個性的なものは無かったけど黒さが楽しい映画だ>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.0

言わずと知れたパク・チャヌクの代表作だけど、このせいで彼の作品を見るときは身構えてしまうようになった。

確実に語り口とか面白いし独特な絵面で有名な格闘シーン等見応えのある場面も盛り沢山なのだけど、ア
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アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)

4.5

どうやら北千住のシネマブルースタジオってところで上映されてたらしいってことで録画したDVDを久々に引っ張り出して見てみる。

ヌーヴェルヴァーグの時代らしい若々しく自然主義な光景ばかりで、ストーリー性
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ザムザ氏の変身(1978年製作の映画)

4.0

父親に林檎を投げられて傷を負うシーンが無かったりザムザが死ぬところまでやらないから完璧にアニメ化したとは言えないけど、黒々とした不気味な虫の感じは出てて良い気持ち悪さがあった。

それにしても自分も虫
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無気力症シンドローム(1989年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

6月6日に亡くなったキラ・ムラトヴァを偲んで。

夫が死んだ悲しみに暮れて暴走する女をセピア調の画面で撮ってて良いな……と思って見ていたら唐突に劇中劇だということが明かされてまず驚く。(でも劇中で不評
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姉妹(1991年製作の映画)

4.5

闇がより暗く光がより眩しく見えるアニメ。

その光と闇がコンプレックスを抱えた姉妹の心理を見事に表しているのも良い。

ヤング・フランケンシュタイン(1974年製作の映画)

3.7

福田雄一が日本でミュージカルの演出をしたらしいけど、確かに福田雄一はメル・ブルックスからめちゃくちゃ影響受けてそう。

話としては途中までは普通にフランケンシュタインをパロったようなもので良くも悪くも
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静かなる男(1952年製作の映画)

3.0

カラーらしく緑とかが綺麗な映画ではあったんだけど、40年代のジョン・フォードの名作群と比べて説明的というか人物の映し方が単調な画が目立っててあまり良いと思えず、賑やかな酒場とかの様子にもノれなかった。>>続きを読む

バッグス・バニー オペラ座の狩人(1957年製作の映画)

3.5

昔見た記憶のあるバッグスバニーの謎オペラ。

バッグスバニーの尻が白いせいでスカート履くとパンチラしてるように見える瞬間があって腹立つ。

草上の朝食(1987年製作の映画)

4.7

緻密に動く下手っぽい絵で描かれた不条理世界。

タイトルの意味はラストでわかるけど、そんな馬鹿なと言いたくなる。

でもこんな世界観を提示できるのは素直に凄い。

三匹の親なし子ねこ(1935年製作の映画)

-

昔見て子猫たちが物を壊したりする度に発覚した後が怖くて直視できなかったんだけど、これって育った環境の問題だったりする?

今見たらさすがに白雪姫の小人に通じる子猫の動きとか普通に見れるけど、メイドがし
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道成寺(1976年製作の映画)

5.0

宮崎駿や高畑勲といった絵のアニメ作家は知名度があるのに比べ、この人形アニメの天才作家である川本喜八郎はあまりに本国での知名度が低いことは不満でならないが、この傑作のような素晴らしいアニメはもっと知られ>>続きを読む

ア・ゴースト・ストーリー(原題)(2017年製作の映画)

5.0

予告の時点で気になってたけど全然日本で上映されないからDVDを海外から購入したら、案の定自分好みの作風になっていて大満足。

単純ながら説明の無い展開と脚本、幽霊初登場時の長回し、静謐を極めたかのよう
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Black Girl(英題)(1966年製作の映画)

3.5

後の様々なアフリカ映画で見られるようなカット割りと演出が多く、フランスが舞台とはいえなるほどアフリカ映画の元祖然としていた。

内容は主人公のモノローグや社会批判的な面が目立ち、主人公の言動にもあまり
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不滅の物語 オーソン・ウェルズ(1968年製作の映画)

3.3

テレビ映画として作られたからか、演出のキレは流石ながらも映像の力が質感のせいで弱く感じられる。

権力者のオーソン・ウェルズは市民ケーン的で、噂話を本当にしようとする展開は後のフェイクに通じる部分があ
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バッグス・バニー カモにされたカモ(1953年製作の映画)

4.6

名作短編アニメとして評価の高いルーニーテューンズの一編。

昔大好きだったルーニーテューンズを久々に見たけど、最初見たらダフィーダックがメタ的に苛められる様は哀れにも思えたのに、今見たら声を別の音にし
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霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.7

ユーリ・ノルシュテインの素晴らしき代表作。

小さいハリネズミ君の冒険を、愛嬌のある動きと神秘的な表現で魅せる。

この世で最も美しい遠回りの一つ。

燃え上がる生物(1963年製作の映画)

2.4

寺山修司が後に撮る性的実験映画を更に下品に汚くしたような作品。

実験映画は嫌いじゃないけど、さすがにこれは性器や恥部の映し方が下品すぎたし全体的にも謎すぎた。

途中で流れる支那の夜も謎。

ベンゴ(2000年製作の映画)

4.3

トニー・ガトリフが自身の体験を基にしたこともあって、ジプシーらの奏でるエキゾチックな音楽がメインの情熱的な作品になっていた。(というか冒頭10分演奏とダンスシーンで押し切る力技が凄い)

話はジプシー
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30年後の同窓会(2017年製作の映画)

3.5

さらば冬のかもめから30年後のあの三人を描いた作品で、最初ジャック・ニコルソンもランディ・クエイドも出ないと知って興味が失せていて、しかしふと全くの別物として捉えたらリンクレイターだしもしや普通に楽し>>続きを読む

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