タラコフスキーさんの映画レビュー・感想・評価

タラコフスキー

タラコフスキー

鑑賞映画の備忘録

バーン・アフター・リーディング(2008年製作の映画)

3.0

何故だろう、展開もコーエン的だし俳優陣も魅力的だしルベツキらしい撮影の美しさもあるしで普通に面白いけど何かが足りない

やはりコーエンらしさが染み付いてしまって、逆にらしくない作品とかそのらしさを超え
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

4.7

題材とかのせいで一番身近な感覚を覚えてしまうスパイク・ジョーンズ作品だった

というのも自分が架空の女性に惚れやすいヤバめの性質の持ち主だからということも大きいのだけど、AIに恋をする設定は一見滑稽だ
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Dearダニー 君へのうた(2015年製作の映画)

3.7

ほとんどアル・パチーノの魅力のみで成立しているかのような作品だが、実際彼の溌剌とした姿を見ているだけで十分なのである

それにしても最初に出てきた彼、若かりし日のアル・パチーノにソックリだったけど、よ
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都会の放浪者(1966年製作の映画)

4.2

ファスビンダーってやっぱり最初からセンス抜群だったんだなとよくわかる処女作

サイレント的な趣、全編に漂う哀愁、適度に挿入された遊び心、余韻の残るラストシーン、どれもアマチュア的ながらも味わい深いもの
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小カオス(1967年製作の映画)

3.7

ゴダールの影響受けまくりのファスビンダーの暴力的短編

スパイク・リーやナンニ・モレッティが自分の作品で重要な役を演じるときはナルシシズムが過ぎて鼻につくのに、ファスビンダーが同じことやっても素直に格
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アメリカの兵士(1970年製作の映画)

4.0

ゴダール的遊び心の感じられる、というかほとんどそれしか感じられないフィルムノワールのパロディ的作品

色々印象的だったシーンはあったんだけど、あのふざけてるとしか思えないクライマックスのせいで全てどう
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ニクラスハウゼンへの旅(1970年製作の映画)

4.1

グラウベル・ローシャやホドロフスキーみたく訳わからないけど映像に力のある、つまり60年代を引きずった70年代の初頭らしい映像芸術作品になってて結構好みなのだけど、こういう理解の難しさと映像の力強さを持>>続きを読む

ローラ(1981年製作の映画)

3.4

ちょっと毳毳しいけど逆にそれが良い照明の使い方だけやけに印象に残ってるのに、バルバラ・スコヴァ演じるローラとアーミン・ミューラー=スタールの関係性が嘆きの天使的だな程度にしか思えず本質的に全く心に残ら>>続きを読む

僕らの父さん(2002年製作の映画)

2.5

映画に関するところ以外特に良いと思える箇所がなかった

というかマハマット=サレー・ハルーンの映画って簡素な映像主体でタイプ的には好みのはずなんだけど、絵面にそこまで惹かれるものが無いせいかどれも大し
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.7

変そうだってのはわかってたけど、やっぱり最近の黒沢清の映画で一番変な作品だった

最初寄生獣みたく物騒な侵略者なのかと不安になったけど、最初に出てきた奴の描写がやばかっただけでその後スプラッタ描写は控
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

3.4

エミール・クストリッツァにとっての8 1/2のように良くも悪くも思える作品

確かに迸るパワーは感じるし飽きとは無縁の映像にはなってて、これだけの作品を作り上げたことは賞賛に値するけど、個人的にはあま
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何故R氏は発作的に人を殺したか?(1969年製作の映画)

4.2

最近サイレント映画ばかり見てることもあって、真に良い映画とは字幕や言葉が無くても理解できるものという信条が更に強くなっているため、実験的に字幕を極力見ないでこの映画は見ようと試みたが、会話が意味を成し>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

4.0

久々にオリジナル中編見たけど、やっぱり小学生の一夏の思い出にしないと淡さが出なかったんだなと、あのアニメと比較してつくづく思った次第

でも原作で最後に使われた歌をちゃんと使ったところはあのアニメ評価
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見えざる敵(1912年製作の映画)

3.8

前半はギッシュ姉妹本当にそっくりだなってこと以外そこまで面白味を感じなかったけど、後半世紀の発見とも呼べそうなカットバックによる別地点におけるドラマの同時進行をやってのけていて、やっぱりグリフィスのセ>>続きを読む

理性に帰る(1923年製作の映画)

3.5

理性というより本能に帰ってないか?と考える理性

救ひを求むる人々(1925年製作の映画)

3.0

港のクレーンのダイナミズムが特に印象に残る映画だけど、もっと映像が見たいって場面で字幕が無粋に挿入される部分が散見されたのは勿体無かった

後の紐育の波止場もそうだけど、スタンバーグのサイレント映画は
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大列車強盗(1903年製作の映画)

4.8

世界最古の西部劇と言われている映画

銃で撃たれた時等演技面で時代による拙さは多少感じるものの、冒頭の列車の映像のはめ込みや長回しによって齎される緊迫感、ロケ撮影のリアリティ、そして斬新なラストシーン
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文化生活一週間/キートンのマイホーム(1920年製作の映画)

5.0

家を使ったダイナミックな試みやバスター・キートンらの身体を張ったアクションのおかげで、笑うというより仰天しっぱなしの短編だった

風呂のシーンでカメラマンの手がレンズを覆う点も大胆で、久々にキートン作
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水をかけられた散水夫(1895年製作の映画)

-

おそらく世界最古のコメディ映画

ホースの水を足で差し止める悪戯が19世紀の頃からあったのかと、そういう意味でも感嘆する

ラ・シオタ駅への列車の到着(1895年製作の映画)

5.0

奥から手前に物が移動してくる様のダイナミズムは凄まじいものがあって非常に好みなんだけど、そのダイナミズムを映画が出来たばかりの頃から理解していたかのような映像を撮るリュミエール兄弟はやはり凄いし、何度>>続きを読む

永遠のこどもたち(2007年製作の映画)

3.7

ギレルモ・デル・トロが制作を務めたフアン・アントニオ・バヨナの長編デビュー作

なんとなく雰囲気がアザーズみたいだったからかどんでん返しがあるんじゃないかと身構えたけど、むしろ逆に事実を明言せずに幽霊
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.5

最初にあらすじ見たときは完全にお涙頂戴の映画だと思って一生見ることはないだろうなとタカを括っていたら、噂を聞くとどうやら普通と違う部分もあるとのことで試しに見てみたけど、なるほど宮沢りえのサイコパス地>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.8

タランティーノ作品としてそこまで秀でていない印象だったけど、それでも十分すぎるほどの面白さはあったのはさすがだし、おそらく功労賞的意味合いが強かったろうけどモリコーネにアカデミー賞を齎した働きはあまり>>続きを読む

終身犯(1961年製作の映画)

4.0

本題に行くまで長いと思ったけどバート・ランカスターが監獄の中で鳥を飼育してどんどんのめり込む様だけでも十分面白く、特に鳥が卵からガチで産まれる姿は実に感動的だった

でも鳥の側で煙草吸っていいのかよと

迷惑帽子/これらのいやな帽子(1909年製作の映画)

4.0

凄い雑だけど映画を見てる人の映画っていう当時にしてはあまりに斬新な試みにはまさに脱帽

おばあさんの虫眼鏡(1900年製作の映画)

4.5

20世紀になって間もない頃だってのにこんなモンタージュを上手く使った短編を作るなんて凄すぎる

シンデレラ(1899年製作の映画)

4.0

魔法使いが物を変えていくシーンの演出は実にメリエスらしくて、なるほどメリエスと一番相性の良い御伽噺かもしれないと感じた

シンデレラがどれかわからなくなることが多かったのが玉に瑕

天文学者の夢(1898年製作の映画)

4.5

それまで無かったものが一瞬でパッと現れる演出が多様されてメリエスらしい面白さがふんだんに盛り込まれていたけど、月の化け物の造形は今見ても悍ましい

寺院の前で小銭を拾う安南の子供たち(1902年製作の映画)

4.9

たった一分の映像で人間の残酷さと格差を的確に表していて衝撃的

リュミエール兄弟の映像は黎明期の作品にしてまさに動く写真の如く物事を鮮烈に映したものが多くて凄い

マンマ・ローマ(1962年製作の映画)

2.3

夜道の長回しとか時折挿入されるスローモーションとか部分的には良い映像、というか好みの映像もいくつかあったけど、クローズアップやカットバックの使い方が琴線に触れないせいもあってかアッカトーネ同様そこまで>>続きを読む

ルトヴィッヒ2世のためのレクイエム(1973年製作の映画)

4.5

この世には理由はよくわからないがその特異性と不可思議さに感服せざるを得ない映画がいくつかあるものだけど、このジーバーベルグがバイエルン王ルートヴィヒを描いた作品もそんな映画の一つ

ルートヴィヒなのに
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カール・マイ(1974年製作の映画)

3.0

気づけばアテネフランセで何年かぶりに特集組まれてたジーバーベルグの、一番大人しめの作品

このジーバーベルグ、それまでのドイツ映画らしくない映画を模索していたニュージャーマンシネマの監督として数えられ
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ヴィクトリア(2015年製作の映画)

4.9

一人の人間が苛烈な出来事によって僅か二時間強で顛落していく様を、ワンカットの(もしくはそれらしい)映像で追体験できるような作品で見終わった後結構放心してしまった記憶がある

でも序盤からのガチパトカー
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旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス(2012年製作の映画)

4.8

ニックス・ムービーやアニエスの浜辺みたくこの人でないと作れないと思うような作品というのはどうしても存在自体に嬉しくなるせいで評価が甘くなってしまうのだけど、このレイモン・ドゥパルドンの集大成的作品もま>>続きを読む

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.7

映画として面白いかどうかはさておき異端な者に対する賛歌が良い塩梅で伝わってきて中々グッときたのを覚えてるけど、これ多分そんな異端な人間の側に立てるかで結構評価が変わると思う

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