長編デビュー作から続くテレンス・デイヴィスのノスタルジックな作風を40年代のアメリカを舞台にして作ったって映画で、その芸術的な浮遊感と哀愁はアメリカで作られても健在で独特。
しかしテレンス・デイヴィ>>続きを読む
メタ視点を持つデッドプールの特性を活かした、ド派手な鎮魂歌にも思える作品。
過去のいくつかの映画を知らないと感動が薄れる要素も多分にあるが、知らなくてもジェームズ・ガンばりの勢いが良いから楽しさ自体>>続きを読む
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時間がカットを挟んでいきなり飛ぶのが印象的だった映画だったけど、最後の最後で2シーン1カットのように時間が最初の方に戻ってかなり驚いた作品。
冒頭から終わり方まで70年代然とした作風だけでもかなり異質かつ好みで良かったのに、傷ついた者に寄り添うような内容も非常に良かったので(それこそオマージュを捧げたであろうハル・アシュビーの代表作であるハ>>続きを読む
ニナ・メンケスの代表作で、よりジャンヌ・ディエルマン的な雰囲気が感じられる方の作品。(というかテーマとか演出の反復とかが似通っているから結び付けざるを得ない)
こういう映画は大抵鑑賞後に内容を殆ど覚>>続きを読む
謎のフランク軍団による気の抜けたワイルドバンチな作品で、初期作故の監督らしさとらしくなさの混在っぷりが伺えるが、そこも含めて小津に近いものがあるところはやはりカウリスマキ。
ATGが日本で紹介した映画の中でも特にATGと近いものが感じられる作品。
ファッションとか展開とかとにかくヘンテコな映画でそこまで興味は惹かれなかったが、60年代のリアル寄り芸術映画然とした内容に少>>続きを読む
黒沢清の映画で一番好きかもしれない、ゴダールとアントニオーニと北野武の悪魔合体的な作品。
展開もキャラも空間も長回し構図も全てが不穏で狂気的で魅力的で、こんな世界に住みたくないって思うくらい嫌な嫌な>>続きを読む
誰にでも作れそうだが作り上げるのには才能と度胸がいる、シンプルながら難解にも思えるタイプの映画。
ストローブ=ユイレの一部の映画とアピチャッポン作品を掛け合わせたような質感は、楽しいとかそういう代物>>続きを読む
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ジャン・ルノワールやジャック・タチをオマージュしつつアウシュヴィッツに住む狂気の将校家族の日常を描いた映画。
その狂気性だけでも十分良い代物だったが、特に気に入ったのはサーモグラフィー的に描かれた夜>>続きを読む
力の入りまくったアニメーションや東京以外で不振だったジャンポケの成績やアグネスタキオンの早期引退を上手い具合に料理して一つの映画として昇華した構成の妙もあって、かなり濃密な作品に仕上がっていてその点は>>続きを読む
撮り方や映像の質、そしてロケ地だとか演出がマノエル・ド・オリヴェイラとアッバス・キアロスタミのハイブリッド感めいていて、その映画芸術が濱口竜介作品の支持される所以かと改めて思い知った出色の作品。
し>>続きを読む
数少ない宮崎駿演出のエピソードの劇場公開版だが、やはり全盛期の宮崎駿作品におけるアクションの躍動感とユーモアには心踊るものがあると痛感させられる。
しかしテレビ放映版しか知らなかったので、ホームズの>>続きを読む
ブレッソンやベルイマンに近い静的で美的な構図の数々は良いし好きな点だが、修道女が世俗に触れる内容もあってか全体的に精進料理にも似た薄味の印象も受けてしまい、良いとは思ってもその刺激不足な面もあり凄く好>>続きを読む
愚かしさと同時に美しさも感じられるという意味では最もフローベールの原作らしいのではないかと思わせられる、冷笑的で耽美なソクーロフ作品。
全体的に19世紀らしい汚らしさもあったしボヴァリー夫人の熟女感>>続きを読む
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全体的に長閑な空気感の中で唐突に内臓食べるグロ的シーンが挿入されるところはこの監督のらしいところだなと思ったけれども、ギターの音色の心地良さも相まって1時間程度の映画なのに結構落ちてしまった。
この作品に限った話でもないが、こういう60年代の白黒ヨーロッパ映画からしか接種できない荒んだ美的成分というのは確かにあると思い知らされるからこの時代の良質な映画は好きだ。
例えるならそこまで好みじゃなかったときの高級料理店とかそこそこ好きなミュージシャンのそこそこなライブって感触だったこのパート2。
没入感はかなりあったしオースティン・バトラーとか熱演の光るキャストも>>続きを読む
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死んだ夫の全容がまるでわからない裁判ものとして半ば傍聴人の気分で楽しめたけど、終盤妻と元カレであろう弁護士が判決後にミサトさんと加持さんよろしく寝たであろう描写と犬がガチでアスピリン飲んで死にかけたっ>>続きを読む
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謎の静止画と謎の文章が続いて遺作も実に晩年のゴダールらしいなと思ったら当然の如く気絶するように寝落ちして、そして気付いた数分後に唐突に終わるの面白すぎだろ!(ヤケクソ)
初見時と違ってアルバムを聴き込んだ後の劇場鑑賞だったが、普段聴いているアルバムを演奏者のアクション付きで拝むという行為もまた乙なもの。
最近は映画の良さを可能な限り見出してそこを楽しむスタイルを取っているのであまり作品に悪印象を抱くこともなくなってきたが、それでも今作は酷いと感じるのを抑えられないくらい良いところが見つけられなかった。>>続きを読む
主に70年代に作られていた芸術系映画、特にハンナ・シグラをマルタという役でゲストに招いていることからもわかるようにファスビンダーへのオマージュ色が強い作品。
そんな芸術的作風で成人女性に赤子の脳が埋>>続きを読む
初代を意識したSEEDとZをモチーフとしたDestiny、となったら当然このFreedomは逆襲のシャアっぽいものとなっているのだけれどそれにしても20年越しになったからなのか尋常じゃないレベルではっ>>続きを読む
長くなった割にオリジナルのときに欲しかった描写があんま無くて残念だったけれど、よくよく考えたらディレクターズカットってあまり優先されず削除された場面が追加されたものだから当然といえば当然か
やばい修道士集団の生活記録みたいなこの映画、特にジネブロとかいう男の行動が常軌を逸していて引くこと多々なのだけれども、ブレッソンとブニュエルとベルイマンと黒澤明を混ぜたような映像表現の良さもあってか強>>続きを読む
他愛ない男女のすれ違いと言ってしまえばそれまでだけれども、カウリスマキらしい緩さのおかげで唯一無二の作品として仕上がっている点には匠の手腕が感じられる。
かなり悪趣味というか下劣さもある戦国映画だが、その悪趣味なところに往年の北野武らしさが出ているのでその意味では実にらしい作品として好印象。
あと黒澤明の作品とかで昔あったような、絶対馬が予後不良にな>>続きを読む
結局2023年最後の劇場鑑賞映画になったのがこの作品。
正直どんなに評価が高くても山崎貴作品を劇場で鑑賞するのは気が引けたが、結論から言うと彼の過去作品とか見てもこんな映画が撮れるとは思えないくらい>>続きを読む
正直なところ予告を見た時点では全く見る気がしなかったけど、めちゃくちゃ評判が良いってことで鑑賞したらここまでの傑作になっているとは思わず驚いた。
さながらアニメーションという技法を存分に活かして子供>>続きを読む
ビリー・ワイルダー作品でも特にルビッチに通じる茶目っ気のある演出が見てとれるラブコメ映画。
でも若かりし日のオードリーの恋人役できる年配の役者はゲイリー・クーパーが本当にギリギリのラインだな。
原作者の水木しげるの命日ということで。
容赦が無いという情報は目にしてはいたが、まさかここまで救いの少ない内容とは思わずPG12指定も納得。(多分オマージュ元の金田一耕助シリーズよりも救いが無い)>>続きを読む
ジム・ジャームッシュのパターソンにも通じる日常映画。
大した事件が起こらない役所広司演じるトイレ掃除の男の暮らしをただ映しているだけなのに豊かさで溢れた描写が記憶に刻まれる内容が白眉で、そしてそれ故>>続きを読む