タラコフスキー

タラコフスキー

鑑賞映画の備忘録

狂熱(1921年製作の映画)

4.0

賞の名前にもなったルイ・デリュックの短編は字幕を一切使わず映像のみで表現しており、基本は酒場が盛り上がって事件が起こるまでを描いているが、幻想的なシーンも挿入され、監督の意識の高さが窺えた

しかした
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カンウォンドの恋(1998年製作の映画)

4.9

カンウォンドでの二人の男女、それぞれの恋愛模様を描いたオムニバス作品で、好きなものが多いホン・サンス作品の中でも特に好きな一本かもしれない

まずカンウォンドの風景が爽やかで美しいものばかりで、そんな
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紐育の波止場(1928年製作の映画)

3.0

ヴェルナー・シュローターやダニエル・シュミットお気に入りのサイレントらしいから見てみたけどちょっとガッカリ

序盤にあった夜の波止場の一連のシーン等良い映像もいくらかあってそれは良かったが、それ以上に
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ルナ(1979年製作の映画)

4.3

オペラ歌手の母親と難しい年頃の息子の関係を綴ったベルトルッチの佳作

まずロケーションが素晴らしく、ベルトルッチとストラーロの映像美も勇壮で明媚な芸術的ロケ地の数々により一層際立つこととなり、こんな惚
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貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます。

化け物に化け物ぶつけたらもっととんでもない化け物になりました、なんて阿呆くさいオチには草

これはひどい

ウィッカーマン(1973年製作の映画)

4.9

パッケージにもなっている、燃え盛る大型の木製人形を見てから気になってしょうがなかったこの作品をようやく拝めたのだけど、案の定中々に衝撃的な映画となっていた

ジャンルは一応ホラーだが、行方不明の少女捜
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親密さ(2012年製作の映画)

-

なんでこんな長えのよと思ったら演劇のリハーサルとか本番がメインだったからかと納得はしたけど、同じく絵画描写がメインで長くなってしまった美しき諍い女と比べて作業の過程に魅入るか否かの違いが出てダレてしま>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

-

日本映画専門チャンネルで見たけど途中で切ったので採点不能

経験的に冒頭10分で惹かれない映画はラスト全振りみたいな特例でない限りずっと面白いと思えず無為な時間を過ごすことになるのだけど、これも20分
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.0

中国が主な舞台にもかかわらず、その年のアカデミー賞で候補になった全ての部門で受賞を果たしたベルトルッチの代表作

他のベルトルッチ作品同様全編に亘り映像が筆舌に尽くし難いほど美しく、中国の宮廷をほとん
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パフォーマンス(1970年製作の映画)

4.2

後に悪魔的映画を作るドナルド・キャメルと同じく後に神秘的な作品を数多く撮るニコラス・ローグの共同監督映画が狂気的な作品にならないはずがない

簡単に言えばギャングの男が芸術家と暮らしておかしくなる作品
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カノン(1998年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます。

なんか前作より途中までギャグ寄りになってた気のした、カルネの続編

強面だけどクッソ情けない親父の深刻そうだけど馬鹿げたモノローグはセリーヌの小説を思わせ、映像的には前作の方が切れ味はあった感があった
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部屋(1972年製作の映画)

4.5

撮影法は全く違うものの、ただ部屋を映して撮ることの意味やその神秘性を考えさせる点でマイケル・スノウの←→と似たコンセプトの作品と言える

しかしただ部屋を舐め回すように映すだけで芸術作品として成立させ
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8月15日(1973年製作の映画)

4.5

静謐な固定カメラと幻想的なモノローグのためになんとなくガンジスの女以降のデュラス作品を想起させたが、ガンジスの女がこの作品より二年後に作られたことを考えるとデュラスがシャンタル・アケルマンに影響を受け>>続きを読む

おなかすいた、寒い(1984年製作の映画)

4.5

去年のカイエデュシネマ週間で処女作と一緒に上映された短編

カメラを固定させつつ単純な語彙を並べて猪突猛進するスピーディーな少女二人を生き生きと映し出していてまさに小気味良い

ジャームッシュのストレ
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街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

4.5

映像やそのレイアウトに拘りの感じられる監督の作品は度々再見したくなるけど、シャンタル・アケルマンもそんな監督の一人

彼女の処女作はそのスピード感に乱雑さにラストのアレにと、気狂いピエロ等の初期ゴダー
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ロビンとマリアン(1976年製作の映画)

1.5

ハードデイズナイトやナックを撮った監督の作品にしては、あまりに軽妙さに欠け退屈な作品

あと最初若干コミカルな箇所がありながら基本恋愛描写とか戦闘描写とかばかりでコメディ路線じゃなかった点も退屈に感じ
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ラジオ・デイズ(1987年製作の映画)

3.7

新作を発表したら大抵アカデミー賞、特に脚本賞でほぼ毎回候補になっていた全盛期の頃、ウディ・アレンが作ったアマルコルドのような郷愁映画

ウディ・アレンが自身のナレーションをラジオのパーソナリティのよう
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カルネ(1994年製作の映画)

3.6

まずギャスパー・ノエは未だにアレックスとセブンデイズインハバナの一編しか見たことないため、最初はこんなブレッソンやハネケみたいな作風だったことは少し意外だったけど、それでいて全体の気持ち悪さはラース・>>続きを読む

娘よ(2014年製作の映画)

3.4

名誉殺人という馬鹿馬鹿しくも憎らしい悪習に関する話だが、わかってはいたものの野蛮かつ傲慢な人間の業には、何が名誉だてめえらのような他人の人権無視するロリコン変態部族に名誉も糞もねえんだよと呆れと怒りが>>続きを読む

71フラグメンツ(1994年製作の映画)

4.5

原題を日本語訳すると「ある機会は年表の71の断片」で、断片を綴り一つの出来事に帰結させる初期ハネケらしい作品

不法にオーストリアへ訪れたルーマニアの少年や養子を求める夫婦、凄惨な殺人を犯す大学生等の
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鬼が来た!(2000年製作の映画)

3.0

なんで香川照之の同僚がヤクザみてえな口調なんじゃワレゴラァ!?(基本反日的だけどラストシーンとか映像は色々面白かった)

マドモアゼル(1966年製作の映画)

3.5

ジャンヌ・モローのサイコパスっぷりが不快極まりない作品

トニー・リチャードソンらしくない映像の美しさは良いのだけど、とにかくジャンヌ・モローのキャラがいろんな意味でキツくてそれどころじゃなかった
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破滅への歩み(1992年製作の映画)

4.5

このアニメ監督のことを初めて知ったが、色々おったまげた

マティスやルオーのようなフォーヴィズムの絵画を動かしたようなアニメだけでも驚きだが、題材を知ってその深淵さに更に驚き

世界にはこういう芸術的
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僕の彼女はどこ?(1952年製作の映画)

3.5

メロドラマの旗手として知られるダグラス・サークの作品で、まさか軽妙で皮肉的なコメディが見られるとは思わなかった

序盤突然脈絡もなくミュージカルが始まる辺りから一味違うことはわかったが、そこから富豪の
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アメリカを斬る(1969年製作の映画)

4.8

クラクションが鳴り響く凄惨な事故現場とそれを冷酷に淡々と撮影する記者から始まるこの作品は、敏腕撮影監督ハスケル・ウェクスラーが監督しただけあって実に見応えのあるものだった

ジャーナリズムという記録行
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大砂塵(1954年製作の映画)

3.0

一風変わったテーマに反して撮り方や音楽は実にハリウッド的という歪な映画監督ニコラス・レイの代表作

銃撃戦をメインとしない女が主役の西部劇という特殊さや乱暴な台詞回し等確かに面白い要素は結構あるものの
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L'inconnu du lac(原題)(2013年製作の映画)

3.6

確かに不思議な魅力のある作品だけど、過去の作品を見た後だとギロディーいつもホモ映画ばっか撮ってんなと少し辟易

私の夜はあなたの昼より美しい(1989年製作の映画)

4.9

疾風怒濤ぶりでは前作や前々作に劣るものの、常軌を逸した展開は相変わらずで、加えて映像の美しさも白眉でやはりズラウスキーは素晴らしい

特に美しいと感じたのは風にたなびく白いカーテンや海辺のシーン、そし
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ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

4.0

最初見たときは何故これがパルムドール?と思ったけど、今はよくぞ選んだベルトルッチという気持ちしかない

リンチがズラウスキーの影響を受けて作った感のあるこの作品は、リンチ作品の中で一番ブッ飛んでいる映
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クリシーの静かな日々(1990年製作の映画)

2.0

サスペンス以外を取り扱ったシャブロルの作品ということで試しに見てみたけど、思った以上つまらない作品だった

フェリーニ作品のような猥雑なテーマをホドロフスキー作品みたいな毳毳しい美術を使い描いているの
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ゴダールの決別(1993年製作の映画)

2.2

映像フェチに磨きがかかった今なら90年以降のゴダールも楽しめるかなと思い手に取って見てみたけど、その文章量のせいで逆に拒絶してしまった

現代で抽象的な表現を使い神話を再現しようとする試みやその自由さ
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ウーナ(2016年製作の映画)

3.3

ルーニー・マーラとベン・メンデルソーンの演技合戦を第一の目的として見に行ったのだけど、どっちも好みで言えば好きな俳優なのにこの作品では全く魅力的に描かれていなかったことにまず驚いた

で、何故彼らの姿
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彼らはフェリーに間に合った(1948年製作の映画)

4.5

ドライヤーの短編でおそらく一番の傑作

延々とバイクで疾走するカップルを見せ続け、ラストで一気にタイトルを回収する衝撃の展開には度肝を抜いた

癌との戦い(1947年製作の映画)

3.5

啓発的テーマの中に見えるブラックさや癌を早期発見した女性からいきなり墓を映して死を表現する乱暴さは面白かったけど、全体的にドライヤーにしてはキレが悪い印象

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

3.0

自身の体験を描いてるだけあって、キャメロン・クロウ作品で一番熱量が感じられ、70年代の雰囲気もよく出ているし、何より当時のロックシーンを記者の目から描くという新鮮なテーマが良かった

でも出来の良い美
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裁かるるジャンヌ(1928年製作の映画)

5.0

特徴的な手法をあえて採用しなかったものの荘厳で見応えのある映画ばかり遺したドライヤー作品で、当時から考えると最も斬新で実験的な作品

ジャンヌダルク裁判に参加する人々をほぼクローズアップのみで撮影し、
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