このレビューはネタバレを含みます
死んだ夫の全容がまるでわからない裁判ものとして半ば傍聴人の気分で楽しめたけど、終盤妻と元カレであろう弁護士が判決後にミサトさんと加持さんよろしく寝たであろう描写と犬がガチでアスピリン飲んで死にかけたっ>>続きを読む
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謎の静止画と謎の文章が続いて遺作も実に晩年のゴダールらしいなと思ったら当然の如く気絶するように寝落ちして、そして気付いた数分後に唐突に終わるの面白すぎだろ!(ヤケクソ)
初見時と違ってアルバムを聴き込んだ後の劇場鑑賞だったが、普段聴いているアルバムを演奏者のアクション付きで拝むという行為もまた乙なもの。
最近は映画の良さを可能な限り見出してそこを楽しむスタイルを取っているのであまり作品に悪印象を抱くこともなくなってきたが、それでも今作は酷いと感じるのを抑えられないくらい良いところが見つけられなかった。>>続きを読む
主に70年代に作られていた芸術系映画、特にハンナ・シグラをマルタという役でゲストに招いていることからもわかるようにファスビンダーへのオマージュ色が強い作品。
そんな芸術的作風で成人女性に赤子の脳が埋>>続きを読む
初代を意識したSEEDとZをモチーフとしたDestiny、となったら当然このFreedomは逆襲のシャアっぽいものとなっているのだけれどそれにしても20年越しになったからなのか尋常じゃないレベルではっ>>続きを読む
長くなった割にオリジナルのときに欲しかった描写があんま無くて残念だったけれど、よくよく考えたらディレクターズカットってあまり優先されず削除された場面が追加されたものだから当然といえば当然か
やばい修道士集団の生活記録みたいなこの映画、特にジネブロとかいう男の行動が常軌を逸していて引くこと多々なのだけれども、ブレッソンとブニュエルとベルイマンと黒澤明を混ぜたような映像表現の良さもあってか強>>続きを読む
他愛ない男女のすれ違いと言ってしまえばそれまでだけれども、カウリスマキらしい緩さのおかげで唯一無二の作品として仕上がっている点には匠の手腕が感じられる。
かなり悪趣味というか下劣さもある戦国映画だが、その悪趣味なところに往年の北野武らしさが出ているのでその意味では実にらしい作品として好印象。
あと黒澤明の作品とかで昔あったような、絶対馬が予後不良にな>>続きを読む
結局2023年最後の劇場鑑賞映画になったのがこの作品。
正直どんなに評価が高くても山崎貴作品を劇場で鑑賞するのは気が引けたが、結論から言うと彼の過去作品とか見てもこんな映画が撮れるとは思えないくらい>>続きを読む
正直なところ予告を見た時点では全く見る気がしなかったけど、めちゃくちゃ評判が良いってことで鑑賞したらここまでの傑作になっているとは思わず驚いた。
さながらアニメーションという技法を存分に活かして子供>>続きを読む
ビリー・ワイルダー作品でも特にルビッチに通じる茶目っ気のある演出が見てとれるラブコメ映画。
でも若かりし日のオードリーの恋人役できる年配の役者はゲイリー・クーパーが本当にギリギリのラインだな。
原作者の水木しげるの命日ということで。
容赦が無いという情報は目にしてはいたが、まさかここまで救いの少ない内容とは思わずPG12指定も納得。(多分オマージュ元の金田一耕助シリーズよりも救いが無い)>>続きを読む
ジム・ジャームッシュのパターソンにも通じる日常映画。
大した事件が起こらない役所広司演じるトイレ掃除の男の暮らしをただ映しているだけなのに豊かさで溢れた描写が記憶に刻まれる内容が白眉で、そしてそれ故>>続きを読む
公開される前からわかっていたことながら、案の定アメリカの賞レースはこの作品を中心に進みそうと思える出来の映画だった。
とても実話ベースとは思えないエグい内容はさながらスコセッシがゴッドファーザーを撮>>続きを読む
不可解な作品ではあったものの黄色いライティングや薄暗い空間が映える不思議で芸術的な映像センスをしていたので謎に引き込まれる映画。
地頭の悪さもあってか例によって例の如く内容の理解が困難なゴダール作品だが、これまたいつもの如くゴダールを浴びるという感覚が心地良い映画となっていたし、映画を楽しむ行為とはそれで良いのかもしれないと思わ>>続きを読む
同時期のジム・ジャームッシュやコーエン兄弟が作ったノリに近いものがあるが、そこにウディ・アレン的な間抜けさも感じられ印象深いモノクロ映画。
やはりと言うか90年代のアメリカの低予算映画らしいラフさと>>続きを読む
変な映画と容易に切り捨てることも可能なレベルで奇想天外な描写の数々に困惑必至の、大林宣彦の映画監督デビュー作にしてカルト的ホラー映画。
後の学校の階段シリーズにも通じる悪趣味でコミカルな表現の数々は>>続きを読む
この監督の作品としてはあまり良い評判は聞かないものだったが、なるほど入れ子構造にして縦のストーリーラインが少し弱い気もしたので高くない評価も納得ではあった。
でも犬が島とかの経験を活かしたようなあの>>続きを読む
父親と鳩を主軸にしたダーティーな少年ものの文学作品を映画化したような質感の作品。
映像がセピア調だったりカラーだったりを繰り返す特殊なものだったので、カラーなのに全然カラーっぽく感じられないところが>>続きを読む
演技とリアルの境界が非常に曖昧な描写の数々が実に魅力的で、縦軸になる話が欠如しているように思えてもうなぎやボートの生々しい体験映像を見ているだけでとても楽しいから全然飽きない凄い作品。
家の中で色んなものが蠢いて人間とか豚とかの形を奇妙に作ったり不気味な動く絵画になったりする様子を劇場で1時間以上も味わったら正気を保てないだろうと思って控えたが、どうやらその選択は正しかったようだ。>>続きを読む
悪趣味な2001年宇宙の旅パロディから始まったときは不安でしょうがなかったけれど、蓋を開けたら性別や人間としての生活に関する哲学的な問題をコメディとして良く描き切っていたので安心感が強かった。
1962年のカンヌで劇映画化賞(Best Cinematic Transposition)という謎の賞を与えられた作品だけど、なるほど鑑賞したらパルムドールとかじゃないにしろとにかく賞を与えたかったの>>続きを読む
我ながら単純だとは思うが、当時としてはかなり尖っていたゲイというテーマを60年代末期らしい前衛性や大胆なメタ要素で描いた様子には最初に鑑賞してから圧倒されっぱなしで、こんな白黒の劇薬的映画をふと覚悟無>>続きを読む
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本編でほぼ完全無欠な主人公の浮世英寿を、才能を4つに振り分けられて奪われることで困難に直面させ、それでも芯となる部分によって主人公たる格を証明するという点が上手いと感じたギーツ劇場版。
元々は少し抜>>続きを読む
良くも悪くも30分でやる内容じゃないキングオージャー無限列車編。
本筋だけぎっしりまとめてサササっと進めてしまったところから鑑みるに、本来なら少なくとももう10分は必要なはず。
でもそれだけに濃密>>続きを読む
ラース・フォン・トリアーのやってることが児戯に思えてしまうレベルで純粋で躍動的な狂気の世界をデビュー時から驀進するズラウスキーの姿勢に感嘆する作品。
坂本龍一に影響を与えたと言われている作品と言われているけど、ジョージ・アンタイルの喧しいとも言ってしまえるピアノ音楽とマン・レイも関わったハイセンスな映像のコラボレーションには謎の癒し効果が感じられた>>続きを読む
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喋れるくらいの知能を備えた小さい貝殻の姿を追ったモキュメンタリー。
完全なるフィクションじゃなく虚構性のあるドキュメンタリーという手法を取ったおかげもあり、妖精チックな存在なのに実在を感じられる作り>>続きを読む
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話の漠然とした感じとしても終わり方の呆気なさ的な意味でも、ハウルとポニョと風立ちぬを合わせた実に21世紀の宮崎駿らしい作品。(でもそれを前情報も無しに味わっただけにインパクトも凄かったから良し)
で>>続きを読む