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バルタザールどこへ行くのakubiのレビュー・感想・評価

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)
4.7
ふわふわ揺れる耳。物憂げに潤んだ瞳。それらは滑稽で身勝手な人間たちをただ静かにみつめていた。

純朴が愚かであるというのなら、そう呼べばいいさ。
なすすべもなく悲しみの声をあげるぼくを笑えばいいさ。

時は無慈悲に流れそのうねりにのまれながら、あの夏に囚われた思い出に恋をしていた。
あのとき泣いていた君がもしかするといちばんの幸せものだったのかもしれないね。
現世からの旅立ち。そしてあらゆる支配からの解放。

おやすみ、この素晴らしき世界。
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